空き家を相続したらまず何をする?最初に確認したい5つのポイント
空き家を相続したら、まず相続人や名義を確認し、建物や土地の状態、維持費などを把握しましょう。
そのうえで、売却・賃貸・活用・解体など、今後の方針を検討することが大切です。
特に相続登記には申請期限があるため、何も決めないまま長期間放置することは避けたいところです。
ここでは、空き家を相続した直後に確認したい5つのポイントを解説します。
1.相続人と遺産分割の状況を確認する
最初に確認したいのは、相続した空き家を誰が引き継ぐのかという点です。
相続人が複数いる場合、空き家だけでなく土地や預貯金などの相続財産全体について、誰が何を取得するのか整理する必要があります。
遺言書が残されている場合は、その内容を確認しましょう。
遺言書がない場合には、相続人同士で遺産分割について話し合うことになります。
特に注意したいのが、相続人同士の確認が不十分な状態で、空き家の売却や解体などを進めることです。
空き家を売却する場合には、所有権や共有関係などを明確にしておく必要があります。
まずは戸籍などを確認して相続人を整理し、遺産全体の状況を把握しましょう。
相続人が多い場合や、遺産分割について意見がまとまらない場合は、司法書士や弁護士などの専門家に相談することも検討しましょう。
2.土地と建物の名義を確認する
次に確認したいのが、空き家の土地と建物の名義です。
法務局で登記事項証明書を取得するなどして、誰が所有者として登記されているのか確認しましょう。
相続によって不動産を取得した場合、相続登記の申請が義務付けられています。
原則として、不動産を相続したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。
正当な理由がないにもかかわらず申請しない場合、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
令和6年4月1日より前に発生した相続についても義務化の対象となっており、未登記の場合は原則として令和9年3月31日までに対応する必要があります。 (法務省)
相続登記をしないまま時間が経過すると、さらに相続が発生した際に相続人が増え、権利関係が複雑になる可能性があります。
「将来的に売却するから後でいい」と考えるのではなく、相続した段階で名義と登記の状況を確認しておきましょう。
なお、相続人同士の話し合いがまとまらないなど、すぐに相続登記を完了できないケースでは、状況に応じて相続人申告登記などの制度を利用できる場合があります。
3.空き家と土地の状態を確認する
名義や相続関係を確認したら、次に空き家そのものの状態を確認します。
長期間使われていない住宅では、雨漏りや屋根の破損、外壁の劣化、給排水設備の不具合などが発生している可能性があります。
庭木や雑草が伸びていたり、害虫や害獣が発生していたりするケースもあるため、可能な範囲で現地を確認しましょう。
確認したい主なポイントは次のとおりです。
屋根や外壁に破損がないか
雨漏りや水漏れの跡がないか
窓や雨戸が破損していないか
水道や電気などの設備に問題がないか
給排水管から漏水していないか
庭木や雑草が周辺に影響していないか
害虫や害獣の被害がないか
室内に残置物がどの程度あるか
また、建物だけでなく、土地についても確認が必要です。
土地の境界や接道状況、建築に関する制限などによっては、売却や建て替え、活用方法に影響する場合があります。
自分だけでは判断が難しい部分については、必要に応じて不動産会社や建築士などの専門家に確認してもらうとよいでしょう。
4.固定資産税と空き家の管理費用を確認する
空き家を相続すると、その後も所有者として税金や管理に関する負担が発生します。
まずは固定資産税の納税通知書などを確認し、年間にどの程度の税負担があるのか把握しましょう。
遠方に住んでいる場合は、定期的な換気や清掃、庭の手入れ、郵便物の確認なども負担になります。
自分で管理することが難しい場合には、空き家管理サービスなどを利用する方法もあります。
また、空き家を適切に管理しない状態が続くと、周辺の生活環境に影響を及ぼす可能性があります。
空家法では、適切な管理が行われておらず、そのまま放置すれば特定空家等に該当するおそれのある空き家を、管理不全空家等として市区町村が指導や勧告の対象とすることができます。
管理不全空家等や特定空家等について勧告を受けた場合、その敷地は固定資産税の住宅用地特例の対象から除外される場合があります。 (国土交通省)
そのため、「使っていないから管理しなくてもよい」と考えるのではなく、相続後は適切な管理を行うことが重要です。
5.売却・賃貸・活用・解体など今後の方針を考える
空き家の相続関係や状態、維持費を確認したら、今後どうするのかを考えます。
主な選択肢としては、売却、賃貸、自己利用、リフォームによる活用、解体して土地として利用する方法などがあります。
どの方法が適しているかは、建物の状態や立地、土地の形状、周辺の需要、修繕費用、固定資産税、将来的な管理負担などによって異なります。
そのため、「古いから解体する」「空き家だからすぐ売る」と最初から決めるのではなく、まず不動産としての価値や活用可能性を確認することが大切です。
例えば、建物が古くても土地に需要がある場合があります。
一方で、立地や建物の状態によっては、リフォームや賃貸などによって活用できる可能性もあります。
売却を検討する場合は、税金についても確認しておきましょう。
相続または遺贈によって取得した被相続人の居住用家屋やその敷地を一定の要件のもとで売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。
現在の制度では、一定の場合に相続人が3人以上であるときは控除額が2,000万円となります。
適用期限や要件があるため、売却前に確認することが重要です。 (国税庁)
また、相続した空き家については、売却前に解体するかどうかも慎重に検討する必要があります。
解体によって建物の状態は変わりますが、税制上の特例などに影響する場合もあるため、先に税務上の要件を確認しておくことが大切です。
相続した空き家は早めに状況を整理しましょう
空き家を相続したら、まず次の5つを確認しましょう。
相続人と遺産分割の状況
土地と建物の名義や相続登記
建物と土地の現在の状態
固定資産税や管理費用
売却・賃貸・活用・解体など今後の方針
重要なのは、いきなり売却や解体を決めるのではなく、現在の状況を整理してから方向性を決めることです。
相続した直後は、相続人の確認や名義変更、現地確認、税金の確認など、対応することが多くあります。
しかし、何も決めないまま空き家を放置すると、建物の劣化や管理負担の増加につながる可能性があります。
まずは相続した不動産の状態を確認し、自分で管理するのか、売却するのか、活用するのか、選択肢を整理していきましょう。
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