夏の空き家は要注意!庭木や雑草が近隣トラブルを招く前の対策
夏は空き家の庭木や雑草が急速に伸びるため、所有者は早めの管理が必要です。
庭木の枝が隣地や道路にはみ出したり、雑草が敷地を覆ったりすると、近隣からの苦情につながるだけでなく、害虫の発生、景観の悪化、通行への支障など、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。
国土交通省の調査でも、空き家による周辺環境への影響として「庭木・雑草の繁茂」は大きな問題の一つとして挙げられています。
さらに、空家等対策の推進に関する特別措置法では、適切に管理されていない空き家について、立木の枝が折れたり飛散したりする状態なども、管理不全空家や特定空家の判断に関係する参考基準として示されています。 (国土交通省)
夏の繁茂を放置しないためには、伸び切ってから対応するのではなく、定期的な確認と計画的な剪定・除草を行うことが重要です。
なぜ夏の空き家は庭木と雑草に注意が必要なのか
夏は気温が高く、雨も多くなるため、庭木や雑草が一気に成長しやすい時期です。
普段人が住んでいる住宅であれば、庭の変化にも気付きやすく、必要に応じて草刈りや剪定を行えます。
しかし、空き家では現地を訪れる機会が少ないため、気付いたときには庭全体が草木に覆われていることがあります。
特に注意したいのが、敷地境界付近です。
庭木の枝が隣地へ伸びる
雑草が道路側へ広がる
つる植物がフェンスや外壁に絡む
枯れ枝が残る
樹木が大きく成長して電線などに接近する
このような状態になると、近隣住民の生活に影響する可能性があります。
国土交通省の資料でも、空き家の周辺環境への影響として、庭木・雑草の繁茂や害虫・害獣の発生などが確認されています。 (国土交通省)
庭木の枝が隣地や道路にはみ出すとトラブルにつながる
空き家の庭木で特に注意したいのが、枝の越境です。
庭木が成長すると、枝が隣の敷地や道路側へ伸びることがあります。
隣地への越境が続けば、日当たりや通風への影響、落ち葉の増加などを理由に近隣から相談や苦情を受ける可能性があります。
また、道路側へ枝が張り出している場合は、歩行者や車両の通行に影響する可能性があります。
国土交通省がまとめた空き家管理のトラブル事例でも、庭木の越境による近隣トラブルや、雑草・植栽の管理をめぐるクレームが紹介されています。 (国土交通省)
所有者にとっては「少し枝が伸びただけ」と感じる状態でも、近隣にとっては日常生活に関わる問題になっている場合があります。
そのため、境界付近の庭木は特にこまめに確認することが大切です。
雑草の放置は害虫や景観の問題にもつながる
雑草の繁茂は、単に見た目が悪くなるだけではありません。
雑草が長期間放置されると、害虫や害獣が発生しやすくなる可能性があります。
また、敷地内が見えにくくなることで、防犯上の不安を感じる近隣住民もいるでしょう。
さらに、枯れた雑草が大量に残れば、火災への懸念につながることもあります。
国土交通省も、適切に管理されていない空き家は、防災、防犯、衛生、景観などの面で周囲にさまざまな影響を及ぼす可能性があるとしています。 (国土交通省)
雑草対策では、一度きれいにすれば終わりではありません。
夏の間は再び成長するため、一定の間隔で状態を確認し、必要に応じて草刈りなどを行うことが重要です。
夏前から定期的に庭を確認する
庭木や雑草によるトラブルを防ぐには、繁茂してから対応するのではなく、成長する前から管理することがポイントです。
例えば、春から夏にかけて定期的に現地を確認し、雑草が伸び始めた段階で除草を行います。
庭木についても、枝が境界を越える前に状態を確認し、必要に応じて適切な剪定を検討しましょう。
確認するときは、庭だけを見るのではなく、敷地全体を確認することが大切です。
敷地境界付近の枝
道路側へ伸びた枝
建物に接触している樹木
枯れ枝
外壁やフェンスに絡んだつる植物
排水設備周辺の雑草
こうした場所を重点的に確認します。
特に台風や強風の前後は、枝が折れていないか、樹木が傾いていないかも確認するとよいでしょう。
自分で剪定や除草をする場合は安全を優先する
空き家の庭木や雑草は、所有者自身で管理する方法もあります。
ただし、背の高い樹木の剪定や太い枝の伐採などは、転落や枝の落下などの危険があります。
また、敷地境界付近で作業する場合は、隣地や道路への影響にも注意が必要です。
特に道路や電線に近い場所、高木の剪定などは、無理に自分で行わず、造園業者などの専門業者へ相談するほうが安全です。
剪定した枝や草を処分する場合も、自治体のルールに従って適切に処理しましょう。
空き家の管理では、費用を抑えることだけを優先するのではなく、事故や近隣への影響を防ぐことも重要です。
庭木を切る前に近隣との境界を確認する
庭木の剪定では、敷地境界を意識することも重要です。
特に古い空き家では、境界標の位置が分かりにくかったり、登記上の土地と現況の認識が異なっていたりする場合があります。
「隣地側に伸びた枝だから、勝手にすべて切ればよい」と判断するのではなく、境界や権利関係を確認したうえで対応することが大切です。
近隣との間で問題が生じている場合は、自己判断で相手の敷地に立ち入ったり、相手側の樹木を無断で処分したりするのではなく、まず所有者同士で話し合うなど、適切な方法で解決を図りましょう。
必要に応じて、自治体の相談窓口や専門家へ相談することも選択肢です。
空き家の庭木については、実際に近隣トラブルが発生した事例もあり、国土交通省の資料でも庭木の越境や雑草・植栽管理に関するトラブルが紹介されています。 (国土交通省)
管理不全空家にならないためにも適切な管理が必要
空き家の庭木や雑草を放置すると、単なる近隣トラブルにとどまらない場合があります。
2023年に改正された空家等対策の推進に関する特別措置法では、「管理不全空家等」という区分が設けられました。
国土交通省が示す参考基準では、立木について、適切な伐採や補強がされておらず、腐朽が認められる状態や、大枝の剪定がされておらず折れや腐朽が認められる状態などが、管理不全空家の判断における参考例として示されています。 (国土交通省)
また、空き家の所有者や管理者には適切な管理について第一義的な責任があると国土交通省は示しています。 (国土交通省)
すべての庭木や雑草の繁茂が直ちに管理不全空家に該当するわけではありませんが、周辺への悪影響が生じる状態を放置しないことが重要です。
遠方の空き家は管理を委託する方法もある
相続した空き家が遠方にある場合や、仕事などで定期的に現地へ行けない場合、庭木や雑草を継続的に管理することが難しいケースがあります。
その場合は、空き家管理サービスなどを利用し、定期的な現地確認や庭の状態確認を依頼する方法があります。
依頼する場合は、どこまで対応してもらえるのかを事前に確認しましょう。
例えば、現地確認だけなのか、草刈りや剪定まで含まれるのか、作業後の写真を受け取れるのか、追加作業が必要になった場合の連絡方法などを確認しておくと安心です。
国土交通省も、空き家を自分で管理することが難しい場合には、空き家管理業者などの利用を検討することを案内しています。 (国土交通省)
管理を外部に委託することで、遠方に住んでいる所有者でも空き家の状態を把握しやすくなります。
夏の庭管理は空き家の資産価値を守ることにもつながる
庭木や雑草の管理は、近隣トラブルを防ぐだけの作業ではありません。
庭が荒れた状態のまま放置されていると、空き家そのものの印象にも影響します。
将来的に売却や賃貸、別の用途への活用を考えている場合、建物だけでなく敷地全体を適切に管理しておくことが大切です。
庭木が大きくなりすぎてから大規模な剪定を行うより、定期的に手入れをしておくほうが管理しやすい場合もあります。
また、庭の状態を定期的に確認しておけば、建物の外壁や屋根、雨樋などに異常が発生していないか確認するきっかけにもなります。
空き家は「使っていないから管理しなくてもよい」のではなく、使っていないからこそ、状態が悪化する前に継続的な管理を行うことが重要です。
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