
空き家の固定資産税はいつまで払う?所有者が知るべき注意点
親から相続した実家や、住まなくなった住宅を空き家として所有している場合、気になるのが固定資産税の負担です。
誰も住んでいない空き家であっても、所有している限り固定資産税が発生するため、使っていない住宅に税金を払い続けることに負担を感じる方もいるでしょう。
では、空き家の固定資産税はいつまで払い続ける必要があるのでしょうか。
結論からいうと、空き家の固定資産税は、原則として所有している間は毎年発生します。
ただし、売却や解体、相続などによって所有状況が変わると、納税義務者や税額も変わります。
また、空き家の管理状態によっては、住宅用地に適用される固定資産税の軽減措置が受けられなくなる場合もあります。
この記事では、空き家の固定資産税をいつまで払う必要があるのか、課税の仕組みや納税義務がなくなるタイミング、所有者が注意すべきポイントについて解説します。
空き家の固定資産税はいつまで払う必要がある?
空き家の固定資産税は、建物や土地を所有している限り、原則として毎年課税されます。
誰も住んでいないことや、長期間利用していないことだけを理由に、固定資産税が免除されることはありません。
まずは、固定資産税が発生する仕組みと、納税義務がなくなるタイミングを理解しておきましょう。
固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に課税される
固定資産税は、毎年1月1日を基準日として、その時点で土地や建物を所有している人に課税されます。
この基準日は「賦課期日」と呼ばれています。
地方税法の規定により、原則として1月1日時点の固定資産課税台帳に所有者として登録されている人が、その年度の納税義務者になります。
例えば、2026年1月1日時点で空き家を所有していた場合、2026年度分の固定資産税は、その所有者に課税されます。
その後、2026年3月に空き家を売却したとしても、2026年度分の納税義務がなくなるわけではありません。
年の途中で空き家を売却したり、解体したりしても、原則としてその年度分の固定資産税は1月1日時点の所有者が納める必要があります。
この仕組みを理解していないと、売却や解体をした後に納税通知書が届き、疑問に感じることがあります。
固定資産税を払わなくてよくなるのはいつ?
空き家の固定資産税を払わなくてよくなるのは、原則として翌年1月1日時点で、その土地や建物について納税義務を負う所有者でなくなったときです。
具体的には、次のようなケースが考えられます。
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- 空き家と土地を第三者に売却した
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- 空き家を解体し、土地も売却した
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- 土地や建物の所有権を第三者に移転した
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- 相続などによって所有者が変わった
例えば、2026年6月に空き家を売却し、所有権移転登記も完了した場合、2026年度分は原則として売主が納税義務者です。
一方、2027年1月1日時点では買主が所有者となっているため、2027年度分からは買主が納税義務者になります。
ただし、売買契約に基づいて固定資産税の負担を日割りや月割りで精算することは可能です。
税金を誰が負担するかという売主と買主の間の取り決めと、法律上の納税義務者は別の問題です。
売却を検討している場合は、固定資産税の精算方法についても事前に確認しておきましょう。
固定資産税の納付時期は自治体によって異なる
固定資産税は、原則として毎年4月1日から始まる年度分として課税されます。
納税通知書は、多くの自治体で4月から6月頃に送付されますが、具体的な発送時期や納期限は自治体によって異なります。
一般的には、年税額を4回に分けて納付する方法と、一括で納付する方法があります。
例えば、次のような納期が設定されている自治体があります。
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- 第1期:4月から6月頃
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- 第2期:7月から9月頃
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- 第3期:12月頃
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- 第4期:翌年2月頃
これはあくまで一般的な例であり、実際の納期は自治体によって異なります。
また、4回に分けて納付する場合でも、各期の税額は月ごとの使用料ではありません。
固定資産税は1年度分の税金であり、空き家を使用していない期間だけ納税を免除してもらうことはできません。
納税通知書が届いたら、納期限を確認し、滞納しないように注意しましょう。
空き家を解体すると固定資産税はどうなる?
空き家の管理が難しくなった場合、建物を解体して更地にすることを検討する人もいます。
しかし、解体すれば固定資産税の負担が軽くなるとは限りません。
むしろ、建物を取り壊すことで土地の固定資産税が高くなる可能性があります。
解体した年の固定資産税は原則として変わらない
空き家を解体した場合でも、その年の1月1日時点で建物と土地を所有していれば、その年度分の固定資産税は原則として課税されます。
例えば、2026年4月に空き家を解体した場合、2026年度分の固定資産税は引き続き納める必要があります。
解体したからといって、残りの月数に応じて固定資産税が減額されたり、還付されたりするわけではありません。
また、建物を取り壊した後は、土地の課税条件が変わる可能性があります。
特に注意したいのが、住宅用地の特例です。
解体すると住宅用地の特例が適用されなくなる
住宅が建っている土地には、固定資産税の負担を軽減する「住宅用地の特例」が設けられています。
この特例は、住宅やアパートなど、人が居住するための家屋の敷地として利用されている土地に適用される制度です。
固定資産税の課税標準額は、土地の面積に応じて次のように軽減されます。
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- 小規模住宅用地(200㎡以下の部分):課税標準額が6分の1
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- 一般住宅用地(200㎡を超える部分):課税標準額が3分の1
例えば、200㎡以下の住宅用地であれば、特例によって固定資産税の課税標準額が6分の1になります。
しかし、空き家を解体して住宅がなくなると、原則として住宅用地の特例が適用されなくなります。
その結果、翌年度から土地の固定資産税が高くなる可能性があります。
空き家を解体する際は、解体費用だけでなく、翌年度以降の固定資産税の増加も考慮することが重要です。
ただし、土地の利用状況や建物の状態によって判断が異なる場合もあるため、解体前に自治体の固定資産税担当窓口へ確認しておきましょう。
空き家を放置すると固定資産税が高くなる可能性がある
空き家を所有している人が特に注意したいのが、建物の管理状態です。
適切に管理されていない空き家は、自治体から改善を求められることがあります。
さらに、一定の条件に該当すると、固定資産税の住宅用地の特例が解除される可能性があります。
管理不全空家や特定空家に指定されるとどうなる?
空き家対策を進めるため、空家等対策の推進に関する特別措置法では、管理状態に問題のある空き家に対する措置が定められています。
主に注意したいのが「管理不全空家等」と「特定空家等」です。
管理不全空家等とは、そのまま放置すれば特定空家等になるおそれがある空き家を指します。
例えば、窓ガラスが割れている、外壁が傷んでいる、庭木が繁茂しているなど、管理状態に問題がある場合は対象となる可能性があります。
一方、特定空家等とは、次のような状態にある空き家です。
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- 倒壊など著しく保安上危険となるおそれがある
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- 著しく衛生上有害となるおそれがある
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- 適切な管理が行われず、著しく景観を損なっている
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- 周辺の生活環境を保全するため、放置することが不適切である
これらに該当する場合、自治体は所有者に対して指導や勧告などの措置を行うことができます。
特に注意したいのは、管理不全空家等や特定空家等に指定されただけで、直ちに住宅用地の特例が解除されるわけではないという点です。
自治体から勧告を受けた場合に、住宅用地の特例が解除される仕組みになっています。
つまり、管理不全空家等の場合も特定空家等の場合も、勧告を受けると土地の固定資産税が高くなる可能性があります。
住宅用地の特例が解除されると税負担はどれくらい増える?
住宅用地の特例が解除されると、土地の固定資産税の課税標準額が大きく変わります。
例えば、200㎡以下の小規模住宅用地では、通常、課税標準額が6分の1に軽減されています。
この特例が解除されると、軽減されていた課税標準額が本来の水準に戻るため、固定資産税の負担が増加します。
ただし、実際の税額は土地の評価額や負担調整措置、自治体の税率などによって異なります。
そのため、すべての空き家で固定資産税が一律に6倍になるわけではありません。
空き家の管理状態によっては、建物を残しているにもかかわらず、土地の固定資産税が大幅に増える可能性があります。
空き家を所有している場合は、建物の破損や敷地の雑草、樹木の繁茂などを放置せず、適切な管理を続けることが大切です。
相続した空き家の固定資産税はいつまで払う?
親や親族から実家を相続した場合も、空き家の固定資産税は発生します。
相続したものの住む予定がない場合や、売却するかどうか決まっていない場合でも、納税義務を放置することはできません。
特に注意したいのが、相続登記と相続人が複数いる場合の税金の負担です。
相続登記が終わっていなくても固定資産税は発生する
不動産を相続した場合、相続登記が完了していなくても固定資産税がなくなるわけではありません。
2024年4月から相続登記が義務化されており、不動産を相続したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。
正当な理由なく義務に違反した場合、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
また、相続登記が完了していない場合でも、相続人には固定資産税に関する義務が生じます。
相続が発生した年の1月1日時点で亡くなった人が所有者だった場合、その年度分の固定資産税については、相続人が納税に対応することになります。
さらに、翌年以降については、相続登記の状況や現所有者の申告などに応じて納税義務者が決まります。
相続した空き家は、登記が終わっていないからといって固定資産税を支払わなくてよいわけではありません。
相続人が複数いる場合は、誰が納税通知書を受け取り、どのように税金を負担するのかを早めに話し合っておきましょう。
相続人が複数いる場合は納税方法に注意する
相続した空き家を複数人で共有している場合、固定資産税の納税通知書は、原則として共有者の代表者に送付されます。
共有名義の不動産では、共有者全員が連帯して納税義務を負う仕組みになっています。
そのため、代表者だけが固定資産税を負担すればよいというわけではありません。
例えば、兄弟3人で実家を相続した場合、固定資産税の負担方法について話し合っておく必要があります。
誰が空き家を管理するのか、売却するのか、将来的に誰かが住むのかなども含めて整理しておくと、後々のトラブルを防ぎやすくなります。
相続人の間で意見がまとまらない場合は、相続や不動産に詳しい専門家への相談も検討しましょう。
空き家の固定資産税を払い続けないための選択肢
空き家を所有している限り、原則として固定資産税は毎年発生します。
そのため、今後も利用する予定がない空き家については、所有し続ける必要があるのかを考えることが大切です。
空き家の状況や所有者の希望によって、主に次のような選択肢があります。
空き家を売却する
今後住む予定がなく、維持管理の負担も大きい場合は、空き家の売却を検討する方法があります。
空き家と土地を売却して所有権を移転すれば、原則として翌年度以降の固定資産税の納税義務は新しい所有者に移ります。
売却には、建物をそのままの状態で売る方法や、解体して土地として売る方法などがあります。
ただし、建物の老朽化や立地条件によっては、買い手が見つかりにくいこともあります。
また、売却前に解体すると住宅用地の特例が適用されなくなる可能性があるため、解体するかどうかは慎重に判断する必要があります。
売却を検討する場合は、解体費用や固定資産税、売却にかかる費用などを含めて比較することが重要です。
空き家を賃貸や別の用途で活用する
建物の状態が良く、立地条件にも問題がなければ、賃貸物件として活用する方法もあります。
例えば、住宅として貸し出したり、建物の用途を変更して利用したりする方法が考えられます。
空き家を活用できれば、固定資産税などの維持費を家賃収入で補える可能性があります。
ただし、賃貸に出す場合は、建物の修繕や設備の更新などが必要になることもあります。
また、空き家を事業用に利用する場合などは、土地の利用状況によって住宅用地の特例が適用されなくなる可能性もあります。
活用を検討する際は、必要な費用と税負担の両方を確認しておきましょう。
空き家を解体して土地を売却する
建物の老朽化が進み、修繕しても利用することが難しい場合は、解体して土地を売却する方法もあります。
建物を解体すれば、倒壊や外壁の落下などのリスクを減らせるほか、土地の購入を希望する人にとっても検討しやすくなる場合があります。
一方で、解体費用が発生するだけでなく、住宅用地の特例が適用されなくなることで固定資産税が高くなる可能性があります。
そのため、解体後に土地を長期間売却できない場合は、税金や土地の管理費用が負担になることも考えられます。
解体を決める前に、土地の売却可能性や解体後の税額を確認しておくことが大切です。
空き家の固定資産税を滞納するとどうなる?
空き家の固定資産税は、所有している限り納税義務が発生するため、納期限までに支払う必要があります。
経済的な事情などで納付が難しい場合でも、通知を放置することは避けましょう。
延滞金が発生する可能性がある
固定資産税を納期限までに納付しなかった場合、原則として納期限の翌日から延滞金が発生します。
延滞金の割合は、納期限後の期間などによって異なります。
滞納期間が長くなるほど負担が増える可能性があるため、注意が必要です。
一時的に支払いが難しい場合は、納期限を過ぎる前に自治体の納税担当窓口へ相談しましょう。
事情によっては、納税の猶予などを受けられる場合があります。
滞納を続けると財産を差し押さえられる可能性がある
固定資産税を滞納し、督促を受けても納付しない場合は、法律に基づく滞納処分が行われる可能性があります。
滞納処分では、預貯金や給与、不動産などの財産が差し押さえの対象になることがあります。
空き家を所有している場合も例外ではありません。
固定資産税の滞納によって、所有している空き家や土地が差し押さえられる可能性があります。
納税が難しい場合でも、通知を無視せず、早めに自治体へ相談することが重要です。
空き家を維持することが経済的に難しい場合は、売却や活用など、所有を続けない方法も含めて検討しましょう。
空き家の固定資産税を払い続ける前に所有状況を見直そう
空き家の固定資産税は、誰も住んでいなくても原則として毎年発生します。
また、年の途中で売却や解体をしても、その年度分の納税義務は原則として1月1日時点の所有者に残ります。
さらに、空き家の管理状態が悪化し、自治体から勧告を受けると、住宅用地の特例が解除されて税負担が増える可能性もあります。
特に、相続した実家をそのまま所有している場合は、今後の維持費や管理の負担について考える必要があります。
住む予定がない空き家を長期間所有し続けるのであれば、売却や活用、解体などを含めて、早めに方向性を決めることが大切です。
固定資産税を払い続けることだけを考えるのではなく、空き家を今後どのように扱うのかという視点で判断しましょう。
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空き家を所有していると、固定資産税だけでなく、建物の維持管理や将来的な処分についても考えなければなりません。
特に、利用する予定がない空き家をそのまま所有し続けることに負担を感じている場合は、今後の方向性を見直すことも大切です。
空き家を単なる維持費のかかる不動産として捉えるのではなく、新たな価値を生み出す可能性のある資産として考えてみてはいかがでしょうか。
TEAMRは、全国の空き家を価値ある不動産に変える集団です。
空き家の将来について考える際には、所有し続けることだけにとらわれず、その不動産が持つ可能性にも目を向けてみましょう。