空き家の異変を早期発見!所有者が確認すべきチェック項目
空き家を所有しているなら、定期的な点検が重要です。
人が住んでいない住宅では、雨漏りや外壁の破損、カビ、設備の不具合、雑草の繁茂などが発生しても、発見が遅れやすくなります。
小さな異変を放置すると、建物の劣化が進み、修繕の負担が大きくなる可能性があります。
国土交通省も、空き家の適切な管理について、建物の点検だけでなく、換気や清掃、通水、郵便物の確認、敷地内の除草や樹木の剪定などを管理のポイントとして示しています。(国土交通省)
この記事では、空き家の所有者が確認しておきたい項目を、建物、室内、設備、敷地、防犯の順に解説します。
空き家の異変は早期発見が重要
空き家は、居住中の住宅と違って日常的に状態を確認する人がいません。
例えば、屋根の一部が破損していても、雨漏りが室内に現れるまで気付かないことがあります。
庭木や雑草も、しばらく訪問しない間に大きく成長する可能性があります。
国土交通省は、空き家を放置した場合のリスクとして、倒壊、外壁や屋根材の落下、ねずみや害虫、悪臭、不法侵入、枝のはみ出しなどを挙げています。(国土交通省)
また、適切な管理が行われず、放置すれば特定空家になるおそれがある空き家は、管理不全空家として自治体による指導や勧告の対象になる場合があります。(国土交通省)
だからこそ、問題が大きくなってから対応するのではなく、普段から小さな変化を確認しておくことが大切です。
まず確認したい外観のチェック項目
屋根や雨どいに異常がないか
屋根は、空き家の状態を確認するときに見落としやすい場所です。
地上など安全な場所から確認できる範囲で、瓦や屋根材のずれ、破損、浮き、明らかな変形などがないか確認しましょう。
雨どいについても、破損や外れがないか確認します。
ただし、屋根の上に自分で上がって確認することは避けましょう。
転落などの危険があるため、高所の点検が必要な場合は専門業者に依頼することが適切です。
外壁にひび割れや剥がれがないか
外壁については、ひび割れ、剥がれ、浮き、汚れなどを確認します。
特に以前にはなかった大きなひび割れや、外壁材の一部が落下している状態には注意が必要です。
外壁や屋根材の破損を放置すると、部材が落下して周囲に影響を及ぼす可能性があります。(国土交通省)
異常が見つかった場合は、無理に自分で補修せず、建築士や専門業者などに状態を確認してもらいましょう。
窓や玄関に破損がないか
窓ガラス、サッシ、雨戸、玄関扉なども確認しておきたいポイントです。
ガラスが割れていないか、扉が破損していないか、施錠できる状態になっているかを確認しましょう。
窓や扉の破損は、雨風の侵入だけでなく、不法侵入などの防犯上の問題につながる可能性があります。
異常を見つけた場合も、危険を感じる場所には無理に近づかず、安全を優先して対応することが重要です。
室内で確認したいチェック項目
天井や壁に雨漏りの跡がないか
室内では、天井や壁にシミがないか確認します。
天井の一部が変色している、壁紙が剥がれている、カビが発生しているといった変化があれば、雨漏りや湿気が原因となっている可能性があります。
雨漏りは、放置することで建物内部の劣化につながる場合があります。
表面だけを補修して終わらせるのではなく、原因を確認したうえで必要な対応を検討することが大切です。
カビや異臭が発生していないか
長期間使用していない住宅では、室内の湿気がこもりやすくなります。
室内に入ったときに以前とは違う臭いがする場合や、壁、天井、収納などにカビが発生している場合は注意しましょう。
国土交通省の管理指針でも、定期的な通気や換気、清掃などが管理上の行為として示されています。(国土交通省)
ただし、カビの原因が雨漏りや建物内部の劣化である場合、換気や清掃だけでは解決できないことがあります。
原因を確認することが重要です。
床や天井に変化がないか
床が以前より沈む、傾いているように感じる、天井材にたわみがあるなどの変化にも注意しましょう。
建物の一部に明らかな変形がある場合は、安全性に関わる可能性があります。
危険が疑われる場所を無理に歩いたり、天井や壁を直接触って確認したりする必要はありません。
安全に確認できない状態であれば、その場所への立ち入りを避け、専門家に状態を確認してもらいましょう。
水回りに異常がないか
キッチン、浴室、洗面所、トイレなどの水回りも確認します。
水漏れ、異臭、排水の異常などがないかを確認し、長期間使用していない設備については適切な管理方法を検討しましょう。
国土交通省の管理指針では、空き家の管理における通水や封水などについても示されています。(国土交通省)
ただし、建物や設備の状態によって必要な対応は異なります。
設備を無理に作動させるのではなく、必要に応じて管理業者や設備業者などへ相談すると安心です。
電気設備に異常がないか
分電盤や照明器具などについても、目に見える異常がないか確認します。
焦げた跡、異臭、破損などがある場合は、自己判断で修理や配線作業を行わず、電気工事士などの専門家へ相談しましょう。
空き家を長期間使用していない場合は、電気やガスなどの契約状況についても確認しておくと、管理上のトラブルを防ぎやすくなります。
敷地内で確認したいチェック項目
雑草や庭木が伸びていないか
空き家の管理では、建物だけでなく敷地の状態も重要です。
雑草が伸びていないか、庭木の枝が道路や隣地へ伸びていないかを確認しましょう。
国土交通省の管理指針でも、定期的な枝の剪定などが管理上の行為として示されています。(国土交通省)
樹木の枝が道路や隣地にはみ出すと、周囲の建物を傷つけたり、通行に影響したりする可能性があります。(国土交通省)
自分で対応することが難しい場合は、専門業者への依頼を検討しましょう。
塀やフェンス、門扉に異常がないか
ブロック塀やフェンス、門扉、擁壁なども確認します。
傾き、破損、腐食などが見られる場合は、倒壊や落下などによって周囲に影響を及ぼす可能性があります。
特に道路や隣地に面している構造物については、異常を放置しないことが大切です。
危険が疑われる場合は、近づいて詳しく確認するのではなく、専門業者などに状態を確認してもらいましょう。
ごみや不法投棄がないか
敷地内にごみや見慣れない物が置かれていないかも確認します。
管理されていない空き家では、ごみの散乱や不法投棄などの問題が発生する可能性があります。
国土交通省も、ごみの散乱や山積みを空き家の管理上のリスクとして示しています。(国土交通省)
ごみを発見した場合は、自治体のルールに従って適切に処理しましょう。
防犯面で確認したいチェック項目
郵便物が溜まっていないか
郵便受けに郵便物やチラシが大量に溜まっていないか確認します。
国土交通省の管理指針でも、定期的な郵便物の確認や整理が管理上の行為として示されています。(国土交通省)
長期間郵便物が放置されている状態は、空き家であることが外部から分かりやすくなる要因の一つです。
郵便物の扱いについては、郵便事業者などの適切な窓口へ確認し、必要な手続きを行いましょう。
不審な侵入跡がないか
窓や扉の破損、鍵の異常、敷地内に見慣れない物があるなど、不審な状況がないか確認します。
不法侵入が疑われる場合は、自分で建物内を確認したり、不審者を探したりせず、安全を優先して警察などの適切な窓口へ相談してください。
空き家の点検では、すべてを所有者自身で解決しようとしないことも重要です。
点検した内容を記録しておく
空き家の状態を確認したら、写真や記録を残しておきましょう。
外壁、屋根、室内、庭などを安全な位置から撮影し、確認した日付とともに保存しておくと、前回との変化を確認しやすくなります。
例えば、以前はなかった外壁のひび割れや庭木の成長なども、記録があれば変化を把握しやすくなります。
また、修繕業者や不動産事業者などに相談する際にも、写真があれば状況を説明しやすくなります。
ただし、撮影のために屋根へ上がるなど、危険な行動をする必要はありません。
自分で点検できない空き家はどうする?
遠方に住んでいる、仕事などで定期的に訪問できない、建物の老朽化が進んでいるなどの事情がある場合、自分だけで空き家を管理することが難しいケースもあります。
その場合は、空き家管理サービスなどを利用して、定期的な確認を依頼する方法があります。
また、今後も使用する予定がないのであれば、売却、賃貸、活用など、所有し続ける以外の選択肢を検討することも重要です。
管理できない状態のまま所有し続けるのではなく、現在の状態と今後の利用予定を整理し、自分に合った方法を選びましょう。
相続した空き家は登記状況も確認する
相続した空き家の場合は、建物の状態だけでなく、所有権に関する手続きも確認しておきましょう。
相続登記は2024年4月1日から義務化されており、相続によって不動産の所有権を取得したことを知った日から原則として3年以内に申請する必要があります。
正当な理由なく申請義務を怠った場合は、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
2024年4月1日より前に発生した相続で、相続登記が済んでいない場合も義務化の対象となり、原則として2027年3月31日までに申請する必要があります。(法務省)
さらに、2026年4月1日からは、不動産の登記名義人の住所や氏名などに変更があった場合、変更日から2年以内に変更登記を申請することも義務化されています。(法務省)
相続関係や登記の状況が複雑な場合は、司法書士などの専門家へ相談することをおすすめします。
異変を見つけたら早めに専門家へ相談する
空き家の点検で異変を見つけた場合、重要なのはそのまま放置しないことです。
雨漏りや外壁の破損なら建築や修繕の専門家、電気設備なら電気工事士、相続や登記なら司法書士など、問題に応じた専門家へ相談しましょう。
また、自治体から空き家に関する指導や通知を受けている場合は、内容を確認したうえで対応することが大切です。
空家法では、管理不全空家や特定空家に対する指導や勧告などの措置が定められています。
勧告を受けた場合、一定の要件のもとで住宅用地に対する固定資産税の軽減措置が適用されなくなることがあります。(国土交通省)
空き家になっただけで直ちに住宅用地特例がなくなるという意味ではないため、制度について不明な点がある場合は、自治体や税務の専門家へ確認しましょう。
空き家は管理するだけでなく活用も検討する
定期的に点検していても、今後その空き家を使用する予定がなければ、管理の負担は続きます。
そのため、現在の状態を確認したうえで、売却や賃貸、再活用などの可能性を検討することも大切です。
空き家活用TEAMRは、全国の空き家を価値ある不動産に変えることを目指す集団です。
TEAMRでは、空き家をオーナーから借り受け、建物の修繕や管理、事務手続きなどをTEAMR側で行い、建物を再活用する「Re活用」という仕組みを展開しています。
公式サイトでは、空き家の維持管理に困っている所有者に向けた仕組みとして案内されています。
具体的な条件や対象となる物件については、個別の確認が必要です。(TEAM R)
空き家の状態を確認したものの、自分では管理しきれない場合や、建物を壊さずに活用する方法を検討したい場合は、専門事業者へ相談することで選択肢を整理しやすくなります。
空き家の異変は早期発見が大切
空き家の点検で大切なのは、所有者自身ですべてを修繕することではありません。
屋根や外壁、窓、室内、水回り、庭、塀、防犯状況などを安全な範囲で確認し、異変があれば記録を残す。
そして、自分では対応できない問題を専門家へ相談することが重要です。
定期的に状態を確認していれば、以前にはなかったひび割れ、雨漏りの跡、庭木の成長、設備の異常などにも気付きやすくなります。
一方で、今後も使用する予定がない空き家であれば、管理を続けるだけでなく、売却や賃貸、再活用など、将来の方向性を早めに考えることも必要です。
空き家の管理方法に悩んでいる方や、所有している空き家をどのように活用できるのか知りたい方は、空き家活用TEAMRへ相談してみてはいかがでしょうか。
TEAMRは、全国の空き家を価値ある不動産に変えることを目指しています。
