空き家を売却する前に測量は必要?土地の面積確認と費用を解説
空き家の売却を検討するとき、建物の状態や売却価格だけでなく、土地の面積や隣地との境界も確認しておくことが大切です。
土地の面積が登記簿に記載されていても、実際に測った面積と一致するとは限りません。
また、隣地との境界が曖昧なままでは、売買契約や引き渡しの際にトラブルが発生する可能性があります。
空き家の売却では、必ずしも測量が必要になるわけではありませんが、土地の状況や売買契約の条件によっては測量が重要になります。
この記事では、空き家を売却する前に測量が必要となるケースや土地の面積を確認する方法、測量にかかる費用、依頼する際の注意点について解説します。
空き家を売却する前に測量は必要?
空き家を売却する際、法律上、すべての土地で測量を行わなければならないわけではありません。
ただし、土地の境界が不明確な場合や、登記簿の面積と実際の面積に違いがある場合などは、測量を検討する必要があります。
まずは、測量が必要になるケースと、必ずしも必要ではないケースを確認しましょう。
測量が必要になりやすいケース
空き家の売却前に測量を検討したいのは、次のようなケースです。
1. 隣地との境界がはっきりしていない
古い空き家では、境界標が見当たらなかったり、ブロック塀や生け垣が境界の目印になっていたりすることがあります。
しかし、塀や生け垣の位置が必ずしも登記上の境界と一致しているとは限りません。
境界が不明確な場合は、測量によって資料や現地の状況を調査し、必要に応じて隣地所有者と境界を確認することが重要です。
2. 登記簿に記載された土地の面積に疑問がある
登記簿に記載された土地の面積は「地積」と呼ばれます。
古くから所有している土地では、過去の測量方法や登記の経緯などによって、登記簿上の地積と現在の測量結果に差が生じている場合があります。
土地の面積が売買価格や建築計画に影響する場合は、測量によって実際の状況を確認しておくと安心です。
3. 買主から確定測量を求められている
買主が購入後に建物を建て替える予定の場合や、土地の境界を明確にしておきたい場合には、確定測量を求められることがあります。
売買契約で境界の明示や確定測量を行うことを取り決めた場合は、その契約内容に従って対応する必要があります。
4. 土地の一部だけを売却したい
空き家の敷地の一部を切り離して売却する場合は、売却する土地の範囲を明確にする必要があります。
土地を分割して別々の土地として登記するには、原則として土地分筆登記が必要です。
そのため、分割する範囲を確定するための測量や、必要な境界確認を進めることになります。
測量をしなくても売却できるケース
すでに境界が明確で、売却に必要な資料もそろっており、買主との間で新たな測量を行う必要がない場合は、測量を省略して売却できることがあります。
例えば、境界標が確認でき、過去に作成された信頼できる測量図が残っている場合などです。
ただし、測量図があるだけで、現在の境界が確定しているとは限りません。
図面の作成時期や内容、境界標の現状、隣地との境界確認の状況などを確認する必要があります。
また、売買契約で測量を行うことを定めている場合は、その条件を満たさなければなりません。
測量を行うかどうかは、土地の状況と売却条件を踏まえ、不動産会社や土地家屋調査士に相談して判断しましょう。
土地の面積や境界を確認する方法
測量を依頼する前に、手元の書類や現地の状況を確認することで、必要な作業を把握しやすくなります。
登記簿や公図で土地の情報を確認する
まずは、土地の登記事項証明書や公図、地積測量図などを確認しましょう。
それぞれの書類には、次のような役割があります。
- 登記事項証明書: 土地の所在地や地番、地積、所有者などの登記情報を確認するための書類です。
- 公図: 土地の位置関係や隣接する土地との配置を把握するための資料です。
- 地積測量図: 土地の形状や面積、辺の長さなどを確認するための図面です。
これらの書類を確認すると、土地の面積や形状、過去の測量状況を把握する手がかりになります。
ただし、公図は土地の正確な境界や寸法を示す資料として十分でない場合があります。
また、地積測量図についても、作成年代や測量の精度などによって、現在の状況との違いが生じていることがあります。
書類上の情報だけで境界を判断せず、現地の状況と照らし合わせて確認することが大切です。
現地で境界標や敷地の状況を確認する
次に、現地で境界標の有無や敷地の状況を確認します。
境界標とは、土地の境界点を示すために設置された標識です。
コンクリート杭や金属標など、さまざまな種類があります。
空き家では、長期間の放置によって草木が繁茂し、境界標が見つけにくくなっている場合もあります。
また、ブロック塀やフェンス、側溝などがあっても、それらが必ずしも正確な境界を示しているとは限りません。
境界標が見当たらない場合や、隣地との境界について疑問がある場合は、自己判断で杭を設置したり、塀の位置を変更したりせず、専門家に相談しましょう。
必要に応じて土地家屋調査士に依頼する
土地の面積や境界を正確に確認したい場合は、土地家屋調査士への依頼を検討しましょう。
土地家屋調査士は、土地や建物の調査・測量、不動産の表示に関する登記などを扱う専門家です。
測量の目的によって必要な作業は異なります。
現況の面積や形状を把握したいのか、隣地との境界を確定したいのかを明確にしてから相談すると、必要な調査を判断しやすくなります。
特に、隣地所有者との境界確認や道路との境界確認が必要な場合は、事前調査から関係者との立ち会いまで時間がかかることがあります。
売却を急いでいる場合は、買主との条件交渉と並行して、早めに相談することが重要です。
空き家の売却で行う測量の種類
測量には複数の種類があり、それぞれ目的が異なります。
空き家の売却では、土地の現況を把握するだけでよいのか、境界まで確定させる必要があるのかによって、適切な方法が変わります。
現況測量
現況測量は、土地の形状や寸法、建物、塀などの現地状況を測定し、図面にまとめる方法です。
土地の現状を把握したい場合や、売却に向けた初期調査を行いたい場合などに利用されます。
現況測量では、必ずしも隣地所有者との立ち会いや境界の合意を行うわけではありません。
そのため、現況測量を行っただけでは、隣地との境界が確定したことにはなりません。
土地の形状やおおよその面積を把握する目的には適していますが、買主から境界確定を求められている場合は、別の手続きが必要になることがあります。
境界確定測量
境界確定測量は、資料や現地の状況を調査し、隣地所有者などの関係者と境界を確認するための測量です。
道路や水路などの公共用地と接している場合は、管理者との境界確認が必要になることもあります。
境界確定測量では、一般的に次のような作業を行います。
- 登記情報や公図、過去の測量図などを調査する。
- 現地で土地の形状や境界標などを確認する。
- 測量結果や資料をもとに境界を検討する。
- 必要に応じて隣地所有者や道路管理者などと立ち会い、境界を確認する。
- 境界確認に必要な書類や測量図を作成する。
ただし、土地の状況や依頼内容によって作業の範囲は異なります。
隣地所有者との話し合いがまとまらない場合や、過去の資料と現地の状況が一致しない場合は、解決までに時間がかかることもあります。
境界確定測量を依頼する際は、どの範囲まで境界を確認するのか、どのような成果物が作成されるのかを事前に確認しましょう。
空き家の売却前に測量する費用の目安
測量費用は、土地の面積や形状、隣接する土地の数、境界標の状況、公共用地との境界確認の有無などによって変わります。
一般的な住宅用地を想定した場合、費用の目安は次のとおりです。
| 測量の種類 | 費用の目安 |
|---|---|
| 現況測量 | 約10万〜30万円 |
| 境界確定測量(隣地との境界) | 約30万〜80万円 |
| 境界確定測量(公共用地との境界を含む) | 約50万〜100万円 |
上記はあくまで一般的な目安であり、すべての土地に当てはまる金額ではありません。
土地の条件によっては、これより高額になる場合もあります。
また、土地家屋調査士の報酬は一律ではなく、事務所ごとに異なります。
費用を正確に把握するには、土地の資料や現地の状況を確認したうえで見積もりを取ることが重要です。
測量費用が高くなりやすいケース
同じくらいの面積の土地でも、測量費用に差が出ることがあります。
主な要因は次のとおりです。
土地の形状が複雑な場合
土地の角が多い、不整形地である、高低差があるといった場合は、測量や境界の検討に手間がかかり、費用が高くなることがあります。
隣接する土地が多い場合
境界を確認する相手が多いと、資料調査や立ち会いの日程調整などに時間がかかる傾向があります。
道路や水路との境界確認が必要な場合
道路や水路などの公共用地に接している土地では、管理者との境界確認が必要になる場合があります。
その分、手続きや調整が増え、費用が高くなることがあります。
境界標が見つからない場合
境界標が失われていたり、過去の測量資料が不足していたりすると、境界を確認するための調査や検討に時間がかかる可能性があります。
隣地所有者との調整が難しい場合
隣地所有者と連絡が取れない場合や、境界について意見が一致しない場合は、通常よりも解決に時間がかかることがあります。
見積もりを比較するときは、金額だけでなく、調査範囲や立ち会いの有無、境界標の設置、図面の作成、必要な登記手続きなどが含まれているかを確認しましょう。
測量費用は誰が負担する?
空き家を売却する際、測量費用を売主と買主のどちらが負担するのかは、売買契約の条件などによって異なります。
売主が境界を明確にして引き渡す条件で売却する場合は、売主が測量費用を負担する形が一般的です。
一方、買主が現状のままで購入する条件で合意する場合などは、測量を行わないことや、別の費用負担を取り決めることも考えられます。
ただし、費用負担は一律に決まっているわけではないため、契約前に売主と買主の間で明確にしておくことが大切です。
また、測量を省略する場合でも、境界や土地の面積について把握している情報を整理し、買主に正確に伝える必要があります。
境界に関する問題がある場合は、その内容を不動産会社などに相談し、契約条件にどのように反映するかを検討しましょう。
測量を依頼してから完了するまでの期間
測量にかかる期間も、土地の状況や必要な作業によって異なります。
現況測量であれば比較的短期間で完了することがありますが、隣地所有者との立ち会いや公共用地との境界確認を伴う場合は、数か月程度かかることもあります。
特に、自治体などの道路管理者との調整が必要な場合や、隣地所有者と連絡が取れない場合は、予定よりも時間がかかる可能性があります。
また、境界確定測量の完了後に土地の分筆登記や地積更正登記などが必要になる場合は、追加の手続き期間も考慮しなければなりません。
空き家の売却では、測量の完了を待ってから買主を探すのか、売却活動と並行して測量を進めるのかによっても、全体のスケジュールが変わります。
売却を予定している場合は、測量が必要かどうかを早い段階で確認し、契約や引き渡しの日程に影響が出ないように進めましょう。
測量を行う前に確認しておきたいこと
測量を依頼する前には、手元にある土地の資料を整理し、売却の条件を確認しておくことが大切です。
登記事項証明書や公図、地積測量図、過去の境界確認書などがあれば、事前調査に役立ちます。
資料が見つからない場合でも、土地の地番などをもとに調査できることがあるため、まずは専門家に相談してみましょう。
また、測量の目的を明確にすることも重要です。
土地の面積を把握するだけでよいのか、隣地との境界を確定させたいのか、土地を分割して売却したいのかによって、必要な作業や費用が異なります。
見積もりを依頼する際は、複数の事務所に相談し、費用だけでなく作業内容や完了までの見込み期間も比較すると判断しやすくなります。
なお、境界に争いがある場合は、通常の測量だけで解決できるとは限りません。
状況に応じて、筆界特定制度などの手続きや法律の専門家への相談を検討する必要があります。
空き家の売却では、建物の状態だけでなく、土地の面積や境界の状況も売却条件に関わります。
事前に必要な確認を進めておくことで、買主との認識の違いを減らし、売買契約や引き渡しを円滑に進めやすくなります。
空き家活用TEAMRは、全国の空き家を価値ある不動産に変える集団です
空き家を売却する際は、建物だけでなく、土地の面積や境界についても確認することが大切です。
測量が必要かどうかは土地の状況や売却条件によって異なるため、早めに整理しておくと、その後の判断に役立ちます。
TEAMRは、全国の空き家を価値ある不動産に変える集団です。
空き家の活用や売却を考える際には、土地の状況にも目を向けながら、今後の方向性を検討していきましょう。