空き家問題は誰に相談する?専門家へ依頼するメリットを解説
空き家を相続したものの、管理方法や売却、賃貸などについて「誰に相談すればよいのか分からない」と悩む方は少なくありません。
結論からいうと、空き家問題の相談先は一つではありません。
まずは空き家が所在する市区町村の相談窓口に相談し、売却や賃貸などの活用を検討する場合は不動産会社、相続や登記なら司法書士、建物の状態なら建築士、税金なら税理士など、問題に応じて専門家を選ぶことが大切です。
国土交通省も、空き家の所有者が相談しやすい窓口を設け、必要に応じて専門家の紹介や物件の状況に合った活用方法を提案できる体制が重要だとしています。 (国土交通省)
空き家を放置すると、建物の劣化だけでなく、管理不全空家等として市区町村から指導や勧告の対象となる可能性もあります。
早い段階で専門家に相談し、売却、賃貸、リフォーム、解体、適切な管理などの選択肢を整理しましょう。 (e-Gov 法令検索)
空き家問題はまず誰に相談すればよい?
空き家について何から手を付ければよいか分からない場合は、まず所在地の市区町村にある空き家相談窓口を確認するのがおすすめです。
空家等対策の推進に関する特別措置法では、市町村が空き家に関する対策を実施する主体として位置付けられています。
また、市町村には所有者等による適切な管理を促進するため、情報提供や助言などの支援に努めることが定められています。 (塩尻市公式サイト)
自治体に相談するメリットは、地域独自の空き家対策や支援制度について確認できることです。
自治体によっては、空き家バンクや改修、解体などに関する支援制度を設けている場合があります。
ただし、制度の内容や利用条件は自治体ごとに異なるため、具体的な条件は物件所在地の自治体に確認しましょう。
一方で、自治体は個別の物件について売却価格や賃料を決めたり、収益性を保証したりする立場ではありません。
売る、貸す、リフォームするといった具体的な活用方法を検討する段階では、民間の専門家に相談することも重要です。
売却や賃貸については不動産会社へ相談
空き家を売却するか、賃貸として活用するかで迷っている場合は、不動産会社への相談が適しています。
不動産会社では、物件の立地や周辺の不動産市場などを踏まえて、売却や賃貸を検討するための情報を得られます。
例えば、次のような疑問を相談できます。
「この地域で空き家を購入したい人はいるのか」
「賃貸にした場合、どの程度の需要が見込めるのか」
「リフォームしてから貸したほうがよいのか」
「売却と賃貸では、どのような違いがあるのか」
空き家だからといって、必ずしも解体や売却が適しているとは限りません。
反対に、リフォームすれば必ず収益物件になるとも限りません。
建物の状態、立地、周辺需要、修繕費などを踏まえて、複数の選択肢を比較することが大切です。
国土交通省も、空き家の流通促進において、不動産業者や宅地建物取引士が相談対応、活用方法の提案、専門家の紹介などを担うことを期待しています。 (国土交通省)
相続や名義の問題は司法書士などに相談
空き家問題では、建物の状態だけでなく、相続や所有権が問題になっていることがあります。
例えば、親から実家を相続したものの、相続人が複数いて活用方法が決まっていないケースです。
所有者が誰なのか明確になっていなければ、売却や賃貸などの手続きを進めることが難しくなる場合があります。
相続登記や不動産の名義に関する手続きについては、司法書士などの専門家に相談しましょう。
特に、相続人が複数いる、過去の相続が未整理になっている、登記上の所有者と現在の権利関係が一致していないといった場合は、自己判断で手続きを進めず、専門家に状況を確認してもらうことが重要です。
また、相続人同士で意見がまとまらないなど、法律上の争いが生じている場合は、弁護士への相談が適しています。
空き家の活用を考える前に、権利関係を整理しておくことで、その後の売却や賃貸などを進めやすくなります。
建物の状態やリフォームは建築士などに相談
「古い空き家だけれど、そのまま使えるのか分からない」という場合は、建築士などへの相談を検討しましょう。
空き家は長期間使用されていないことで、屋根や外壁、基礎、床、雨漏り、給排水設備などに問題が生じていることがあります。
見た目だけでは判断しにくい劣化もあるため、売却や賃貸、リフォームを検討する前に建物の状態を把握しておくことが大切です。
また、間取り変更や増築、用途変更などを伴うリフォームでは、建築基準法などの関係法令を確認する必要があります。
工事の内容によっては必要な手続きが異なるため、「古い家だから自由に改修できる」と判断するのは避けましょう。
国土交通省が示す空き家対策の専門家の例にも、建築士や土地家屋調査士、宅地建物取引士などが挙げられています。 (国土交通省)
税金については税理士や税務署に確認
空き家を売却したり賃貸したりするときには、税金についても確認が必要です。
例えば、空き家を売却した場合には、売却による所得について税金が発生する可能性があります。
また、相続した空き家の売却については、一定の要件を満たす場合に税制上の特例が利用できることがあります。
一方、空き家を賃貸する場合には、家賃収入に関する税務上の取り扱いを確認する必要があります。
税務上の取り扱いは、物件を取得した経緯や所有期間、売却価格、所得状況などによって異なる場合があります。
そのため、「空き家ならこの税金がかかる」と一律に判断するのではなく、具体的な税務判断については税理士や税務署に確認することが大切です。
特例制度についても、適用要件や期限などが定められている場合があるため、利用を検討する場合は最新の制度内容を確認しましょう。
土地の境界や測量は土地家屋調査士へ相談
空き家を売却する際には、土地についても確認が必要です。
特に古い住宅では、隣接する土地との境界が明確でない、境界標が確認できない、登記上の面積と実際の土地の状況が異なるといった問題が生じることがあります。
土地の境界や測量などについて問題がある場合は、土地家屋調査士への相談を検討しましょう。
建物だけを見ていると、土地に関する問題を見落としてしまう可能性があります。
売却や建築などの計画がある場合は、早い段階で土地と建物の両方について確認しておくことが重要です。
空き家問題は複数の専門家に相談することも重要
空き家問題が複雑になりやすい理由は、一つの問題だけで完結しないケースが多いからです。
例えば、相続した実家を売却する場合でも、相続関係の整理、登記、不動産の査定、建物の状態確認、税務など、複数の分野について確認が必要になることがあります。
賃貸する場合でも、建物の修繕、リフォーム、賃料設定、契約、管理などを検討しなければなりません。
そのため、「空き家のことは一人の専門家にすべて任せればよい」と考えるのではなく、問題に応じて専門家同士をつなげてもらうことが重要です。
国土交通省も、空き家の所有者が相談しやすい窓口から適切な専門家の紹介を受け、物件の状況に応じた活用方法を選択できる体制を示しています。 (国土交通省)
専門家へ相談するメリット
空き家について専門家へ相談するメリットは、所有者だけでは気づきにくい問題を早い段階で整理できることです。
例えば、所有者は「古い家だから解体するしかない」と考えていても、建物を調査すると修繕やリフォームによって活用できる可能性があります。
反対に、「リフォームして賃貸すれば家賃収入を得られる」と考えていても、周辺の賃貸需要や修繕費を確認すると、売却など別の選択肢が適している場合もあります。
専門家に相談することで、売却、賃貸、リフォーム、解体、適切な管理など、複数の選択肢を比較しやすくなります。
また、問題を早期に把握できれば、必要な手続きを整理しやすくなり、後から想定外の問題が発生するリスクを抑えることにもつながります。
空き家を放置せず早めに相談することが大切
空き家は、所有しているだけで問題が解決するものではありません。
所有者等には、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、空き家を適切に管理することが求められています。 (e-Gov 法令検索)
さらに、適切な管理が行われず、放置すれば特定空家等に該当するおそれがある状態の空き家は、管理不全空家等として市区町村による指導や勧告の対象になる制度があります。 (e-Gov 法令検索)
そのため、「まだ使う予定がないから」と長期間放置するのは避け、まず現在の状態を把握しましょう。
すぐに売却や賃貸を決める必要はありません。
自治体や専門家に相談しながら、管理を続けるのか、売却するのか、賃貸するのか、リフォームするのかなど、自分の状況に合った方法を検討することが大切です。
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