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相続した空き家の遺産分割協議とは?売却前に決めるべきポイント

 

相続した空き家の遺産分割協議とは?売却前に決めるべきポイント

相続した空き家を売却する場合、まず確認したいのが遺産分割協議です。

相続人が複数いる場合、相続が発生した時点では、遺産は原則として相続人の共有状態になります。

そのため、誰が空き家を取得するのか、売却するのか、売却した場合の代金をどのように分けるのかなどを相続人の間で整理しておくことが重要です。

法務省も、不動産の相続後は早期に遺産分割を進めることを案内しています。(法務省)

特に空き家は、所有者が決まらないまま放置すると、固定資産税や管理費用などの負担が続くだけでなく、売却や活用の判断も進めにくくなります。

この記事では、相続した空き家を売却する前に知っておきたい遺産分割協議の基本と、話し合いで決めるべきポイントを解説します。

遺産分割協議とは何か

遺産分割協議とは、相続人全員で話し合い、亡くなった方が残した財産を誰がどのように取得するのかを決める手続きです。

法務省も、遺産分割を「法律で決められた相続人が全員参加して、相続財産の分け方を決定する手続」と説明しています。(法務省)

例えば、父親が亡くなり、子ども2人が相続人となって実家が空き家になったケースを考えてみましょう。

空き家を長男が取得するのか、次男が取得するのか、2人で共有するのか、それとも売却して売却代金を分けるのかによって、その後の手続きは大きく変わります。

遺産分割協議では、空き家だけではなく、預貯金やその他の不動産なども含めて、相続財産全体を確認したうえで分け方を決めることが重要です。

相続した空き家は誰のものになるのか

相続人が複数いる場合、遺産分割が終わるまで、相続財産は原則として相続人による共有状態になります。

法務省も、相続が発生すると、原則として遺産は法定相続分の割合で相続人らが共有する状態になり、共有状態の財産の管理や処分には相続人同士の判断が必要になると説明しています。(法務省)

そのため、「長男が実家を管理しているから長男が自由に売却できる」というわけではありません。

相続人が複数いる場合は、誰が空き家を取得するのか、あるいは売却するのかを正式に整理しておく必要があります。

空き家を売却する前に決めるべき5つのポイント

1.空き家を誰が取得するのか

まず決めたいのが、空き家を誰が相続するのかです。

例えば、相続人のうち1人が空き家を取得し、その人が売却する方法があります。

一方で、相続人全員が共有する形にすると、将来の売却や管理の際に意思確認が必要になる場面が増えるため、できるだけ早い段階で方針を決めておくことが大切です。

空き家を最終的に売却する予定であれば、売却までの手続きや費用負担についてもあわせて話し合っておくと、後のトラブルを防ぎやすくなります。

2.売却するのか、保有するのか

次に、空き家を売却するのか、それとも誰かが取得して保有するのかを決めます。

「とりあえず共有のままにしておく」という判断は、問題を先送りすることにもなります。

空き家を保有する場合は、固定資産税、火災保険、修繕費、庭木の管理費など、継続的に発生する費用について誰が負担するのかも決めておく必要があります。

反対に売却する場合は、不動産会社への相談、売却価格の確認、売却にかかる費用、売却後の代金の分配方法などを事前に整理しておきましょう。

3.売却代金をどう分けるのか

空き家を売却する場合、売却代金をどのように分けるのかも重要です。

法定相続分どおりに分けるのか、それとも遺産分割協議によって別の割合にするのかを相続人同士で確認します。

また、売却にかかった仲介手数料や測量費、登記関連費用などを誰が負担するのかについても、あらかじめ決めておくとトラブルを防ぎやすくなります。

税金についても、相続した空き家の売却では一定の要件を満たす場合に特例が利用できる可能性があります。

適用条件は物件や相続の状況によって異なるため、売却前に税理士などの専門家へ確認することをおすすめします。

4.空き家の評価額をどう考えるのか

相続人の間で「空き家を誰か1人が取得する」という話になった場合、空き家をどの程度の価値として評価するのかが問題になることがあります。

不動産は預貯金のように金額が明確ではありません。

そのため、固定資産税評価額だけでなく、不動産会社による査定価格なども参考にしながら、相続人同士で納得できる基準を検討することが重要です。

特に、将来的に売却する予定がある場合は、実際の市場価格とかけ離れた評価で話を進めると、相続人間の不公平感につながる可能性があります。

5.空き家の管理や売却手続きを誰が担当するのか

空き家は、相続が決まるまでの間も管理が必要です。

雨漏りや害虫、庭木の繁茂などを放置すると、建物の劣化や近隣とのトラブルにつながる可能性があります。

そこで、遺産分割協議では、空き家の管理を誰が担当するのかも確認しておきましょう。

売却する場合には、不動産会社との連絡や必要書類の準備など、誰が窓口になるのかを決めておくと手続きがスムーズです。

遺産分割協議書はなぜ必要なのか

遺産分割協議がまとまったら、その内容を書面にした遺産分割協議書を作成することが一般的です。

例えば、相続した空き家を長男が取得するのであれば、不動産の所在や地番、家屋番号などを確認し、どの不動産を誰が取得するのかを明確に記載します。

法務省が公開している遺産分割協議書の記載例でも、相続人全員が協議した内容を記載し、対象となる不動産を特定したうえで、相続人が署名・押印する形式が示されています。(法務省)

なお、相続人の中に未成年者などがいる場合は、通常とは異なる手続きが必要になる場合があります。個別事情がある場合は、司法書士や弁護士などの専門家に確認しましょう。

遺産分割協議がまとまらない場合はどうする?

相続人同士で話し合っても意見がまとまらない場合、無理に一方の相続人だけで手続きを進めるのは避けましょう。

例えば、「自分が管理しているから売却してよい」「他の相続人とは連絡を取らなくてもよい」と判断することは、後のトラブルにつながる可能性があります。

共有不動産の処分には、原則として共有者全員の同意が必要です。民法でも、共有物の変更については共有者の同意が必要とされています。(e-Gov 法令検索)

話し合いが難しい場合には、弁護士などの専門家に相談し、必要に応じて家庭裁判所の遺産分割調停などを利用する方法があります。

相続登記の期限にも注意する

相続した空き家を売却する場合、相続登記についても忘れてはいけません。

2024年4月1日から相続登記が義務化され、不動産を相続によって取得したことを知った相続人は、原則としてその所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。(法務省)

また、遺産分割協議が成立した場合には、その内容を踏まえた相続登記についても、遺産分割が成立した日から3年以内に申請する必要があります。(法務省)

相続人申告登記という制度もありますが、これは相続した不動産を売却するための所有権移転登記そのものに代わるものではありません。

売却を予定している場合は、最終的な権利関係を整理したうえで、必要な登記手続きを進めることが重要です。(法務省)

相続した空き家をスムーズに売却するための流れ

相続した空き家を売却する場合は、まず遺言書の有無や相続人の範囲、相続財産を確認します。

そのうえで、相続人全員で空き家の取得方法や売却方針について話し合います。

遺産分割協議がまとまったら、内容を遺産分割協議書にまとめ、必要な相続登記を行います。

その後、不動産会社などに空き家の査定を依頼し、売却価格や売却方法を検討します。

売却を進める際には、空き家の状態や権利関係、境界、残置物なども確認しておくことが大切です。

相続した空き家は、相続人同士の話し合いと不動産の売却準備を並行して進めることで、手続きをスムーズに進めやすくなります。

まとめ

相続した空き家を売却する場合、最初に相続人同士で遺産分割について整理することが重要です。

特に、誰が空き家を取得するのか、売却するのか、売却代金をどう分けるのか、空き家の評価をどうするのか、管理や売却手続きを誰が担当するのかを明確にしておきましょう。

相続人全員の合意をもとに遺産分割協議書を作成し、必要な相続登記を進めることで、その後の売却手続きも進めやすくなります。

一方で、相続人同士で意見が合わないケースや、相続人が多いケース、長期間空き家になっているケースでは、手続きが複雑になることがあります。

相続した空き家をどうすればよいのか、売却できる状態なのか、活用する方法があるのかなどでお困りの場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

空き家活用TEAMRは、全国の空き家を価値ある不動産に変える集団です。

相続した空き家の売却や活用について、何から始めればよいのか分からない場合も、まずは状況を整理するところからご相談ください。

相続人間の権利関係や法的な判断が必要な場合には、司法書士や弁護士、税理士などの専門家への確認も行いながら、空き家の今後について検討していくことが大切です。