空き家を貸す前に確認!賃貸活用で失敗しない注意点とは
空き家を貸すなら、入居者募集を始める前に、建物の状態、修繕費用、賃料相場、契約条件、管理方法まで確認しておくことが重要です。
特に注意したいのは、空き家特有の建物劣化と、貸し出した後に発生する管理負担です。
長期間使用していなかった住宅は、給排水設備や給湯器などに不具合が生じている場合があります。
また、賃貸借契約を結ぶと、貸主には物件を適切に使用できる状態に保つための修繕義務が原則として生じます。
民法第606条では、賃貸人が賃貸物の使用や収益に必要な修繕を行う義務を負うと定められています。(e-Gov 法令検索)
そのため「空き家だから、とりあえず貸して家賃収入を得よう」と考えるのではなく、貸す前に収益性と管理負担を確認することが大切です。
空き家を貸す前に建物の状態を確認する
まず確認したいのが、空き家をそのまま賃貸物件として利用できる状態なのかという点です。
外観では、屋根、外壁、基礎、雨樋、窓などを確認します。
室内では、天井や壁の雨漏り跡、床の傷みや傾き、建具の開閉、カビや異臭などを確認しましょう。
特に注意したいのが水回りです。
キッチン、浴室、洗面所、トイレなどは、長期間使用していなかったことで配管や設備に不具合が生じている可能性があります。
給湯器やエアコン、電気設備なども、実際に使用できるか確認しておく必要があります。
見た目だけでは判断しにくい劣化もあるため、建物の状態に不安がある場合は、建築士などの専門家による調査を検討する方法もあります。
賃貸開始前に問題を把握しておけば、必要な修繕費用を見積もりやすくなり、入居後のトラブルを防ぐことにもつながります。
必要な修繕とリフォームを分けて考える
空き家を貸す際は、すべてを新しくする必要があるとは限りません。
まず優先したいのは、安全性や居住性に関わる修繕です。
雨漏り、水漏れ、給湯設備の故障、電気設備の不具合、窓やドアの破損などは、入居者の生活に直接影響します。
一方、壁紙の張り替えや設備のグレードアップ、間取りの変更などは、物件の魅力を高めるためのリフォームとして考えられます。
ここで重要なのは、工事費をかければかけるほど賃貸経営が有利になるわけではないということです。
たとえば、周辺に古い住宅が多く、賃料も比較的低い地域で高額なリフォームを行っても、家賃に十分反映できない可能性があります。
必要な修繕と、収益性を高めるためのリフォームを分け、周辺の賃貸需要を確認しながら投資額を決めることが大切です。
リフォーム前に法令上の制限を確認する
古い空き家では、賃貸開始前に大規模なリフォームを検討することもあります。
ただし、間取りの変更、増築、用途変更などを行う場合は、建築基準法をはじめとした関係法令の確認が必要になることがあります。
特に築年数の古い住宅は、現在の建築基準との関係や、既存不適格となっている部分の有無などを確認する必要があります。
工事内容によっては建築確認などの手続きが必要になる場合もあるため、自己判断で工事を進めるのは避けましょう。
リフォームを行う場合は、工事の内容を整理したうえで、自治体や建築士などの専門家に事前確認することが安全です。
また、地域によっては用途地域などによる用途の制限があります。将来的に住宅以外の用途で活用する可能性がある場合も、計画段階で確認しておくことが重要です。
賃料は周辺相場と収支から決める
修繕やリフォームの方向性が決まったら、賃料を検討します。
賃料設定では、周辺の類似物件を比較することが基本です。
間取りや築年数だけではなく、駅やバス停からの距離、駐車場の有無、設備、日当たり、周辺の生活環境なども確認しましょう。
空き家だからといって、相場より安くすれば必ず入居者が見つかるとは限りません。
一方、リフォーム費用を回収したいという理由だけで相場より高く設定すると、入居者が集まりにくくなる可能性があります。
さらに重要なのが、家賃収入だけで収支を判断しないことです。
固定資産税、火災保険などの保険料、管理費、修繕費、設備交換費用、空室期間なども考慮しましょう。
賃貸開始時に必要なリフォーム費用だけでなく、将来的な修繕費まで想定して収支を確認すると、より現実的な賃貸経営の判断ができます。
賃貸借契約の内容を明確にする
入居者を募集する前に、賃貸借契約の条件を整理しておくことも欠かせません。
賃料や契約期間だけでなく、使用目的、禁止事項、修繕、契約解除、更新、明渡し、原状回復などについて確認します。
国土交通省は、賃貸借契約に関するトラブルを防ぐため、賃貸住宅標準契約書や原状回復をめぐるトラブルとガイドラインを公表しています。
契約を結ぶ前に、費用負担や退去時の条件などを十分に確認することが重要とされています。(国土交通省)
特に注意したいのが原状回復です。
原状回復は、借主が入居時の状態に完全に戻すという意味ではありません。
通常の使用による損耗や経年変化については、原則として借主の負担とはならず、故意や過失などによる損傷については借主側の負担となる考え方が基本です。(国土交通省)
借主に通常の原状回復義務を超える負担を求める特約を設ける場合は、必要性や合理性、借主がその内容を認識して合意しているかなどを慎重に確認する必要があります。
「契約書に書いておけば、どのような費用でも借主に請求できる」というわけではありません。
入居前の空き家の状態を記録する
賃貸開始前には、建物や設備の状態を写真などで記録しておきましょう。
壁、床、天井、建具、キッチン、浴室、トイレなどを確認し、もともと存在する傷、汚れ、不具合などを記録します。
空き家の場合、入居前から劣化や傷みが生じているケースもあります。
入居時の状態を記録しておけば、退去時に新たに発生した損傷との区別がしやすくなります。
国土交通省も、原状回復に関するトラブルを防ぐため、入居時と退去時に物件の状態を確認し、チェックリストや写真などを活用して記録することを有効な方法として示しています。(国土交通省)
入居者との認識の違いを防ぐためにも、物件の状態を客観的に残しておくことが大切です。
貸した後の管理方法まで決めておく
空き家を貸し出すと、所有者の仕事が終わるわけではありません。
入居後には、設備の故障、水漏れなどの修繕対応、入居者からの問い合わせ、契約更新、退去時の手続きなどが発生する可能性があります。
特に遠方にある空き家では、所有者がすぐに現地へ行けないこともあります。
そのため、賃貸開始前に、自主管理するのか、管理会社などへ委託するのかを決めておきましょう。
管理を委託する場合は、管理料だけではなく、入居者からの問い合わせ、設備トラブルへの対応、修繕業者の手配、契約更新、退去時の対応など、委託できる業務範囲を確認することが重要です。
なお、賃貸住宅の維持保全などを所有者から委託されて行う賃貸住宅管理業は、管理戸数が200戸以上の場合、国土交通大臣への登録が義務付けられています。(国土交通省CBRシステム)
管理を委託する場合は、事業者の登録状況だけでなく、具体的な管理内容や費用、緊急時の対応なども確認しておきましょう。
空き家を貸すか売るかも比較する
空き家の活用方法は、賃貸だけではありません。
賃貸には家賃収入を得られる可能性がある一方、修繕費、管理費、固定資産税、保険料、空室期間などの負担があります。
特に、周辺の賃貸需要が低い地域や、大規模な修繕が必要な住宅では、リフォーム費用をかけても期待した収益を確保できない可能性があります。
そのため、賃貸を検討する際は、売却した場合との違いも比較しておくことが大切です。
建物の状態、立地、賃貸需要、必要な修繕費、将来的な利用予定などを総合的に考えて、自分に合った活用方法を選びましょう。
空き家を貸す前に確認したいポイント
空き家の賃貸活用で失敗を避けるためには、入居者募集を急がないことが大切です。
まず建物や設備の状態を確認し、必要な修繕を洗い出します。
次に周辺の賃貸需要と賃料相場を調査し、リフォーム費用や維持管理費を含めた収支を確認します。
そのうえで、賃貸借契約の内容や修繕負担、原状回復について整理し、入居前の物件状態も記録しておきましょう。
さらに、入居後の管理方法まで決めておくことが重要です。
空き家の賃貸活用は、家賃収入を得られる可能性がある一方、貸主として継続的な管理や修繕などの負担も伴います。
「空き家だから貸す」と決めるのではなく、賃貸と売却の両方を比較し、長期的な視点で活用方法を検討しましょう。
空き家の賃貸活用は空き家活用TEAMRへご相談ください
空き家を貸したいものの、建物の状態や修繕費、リフォーム、賃料設定など、何から始めればよいのか分からない方は、空き家活用TEAMRへご相談ください。
TEAMRは、全国の空き家を価値ある不動産に変える集団です。
空き家の賃貸活用では、建物の状態確認から修繕、リフォーム、賃料設定、入居者募集、管理方法まで、さまざまな判断が必要になります。
また、物件によっては賃貸よりも売却など、別の活用方法が適している場合もあります。
「この空き家は貸せる状態なのか」
「リフォームにどこまで費用をかけるべきなのか」
「賃貸と売却のどちらが適しているのか」
このような悩みがある場合は、まず空き家の現状と今後の選択肢を整理することから始めてみましょう。
空き家を放置せず、価値ある不動産として活用したい方は、空き家活用TEAMRまでお気軽にお問い合わせください。
