BLOG

今後の空き家数の推移予測と早めの対策がおすすめの理由

日本では少子高齢化と人口減少の進行に伴い、空き家の数が年々増加しています。総務省の調査によると、2018年時点で日本全国にある空き家の数は約849万戸に達し、全住宅の13.6%が空き家という状態でした。そして、この空き家問題は今後さらに深刻化することが予想されています。

空き家の増加は社会的な問題を引き起こすだけでなく、個々の所有者にとってもリスクを伴うため、早めの対策が重要です。この記事では、今後の空き家数の推移予測と、なぜ早めに対策を取るべきなのか、その理由を詳しく解説します。

1. 日本における空き家の現状と推移

現在、日本の空き家問題は都市部や地方を問わず広がっており、特に地方の過疎地や人口減少地域では空き家が急増しています。2018年の総務省による「住宅・土地統計調査」では、空き家の増加が明らかとなり、10年前に比べて空き家率が3%以上増加しました。

さらに、国土交通省の「住宅市場動向調査」などでも、今後の空き家数はさらに増加すると予測されています。特に高齢化により今後数十年で、住人がいなくなり放置される家が増えることが予想されます。また、若年層の都市部への移住が進んでいることも、地方の空き家問題を深刻化させる要因の一つです。

2. 空き家数の今後の推移予測

空き家数の増加は今後も続くと考えられています。一般的な推計によれば、2040年頃には日本の空き家数は約2,000万戸に達すると予測されており、空き家率は30%近くに上昇する可能性があるとされています。これは、日本国内の3軒に1軒が空き家になるという驚くべき数値です。

この予測には、いくつかの要因が影響しています。

• 少子高齢化の進行
少子高齢化に伴い、高齢者が亡くなった後に住む人がいない家が増加します。また、若年層の人口減少により、これから新たに住宅を購入する世帯が減少するため、新たな空き家が生まれ続けます。
• 都市部への人口集中
都市部への人口集中は、地方の空き家問題を悪化させています。若い世代が都市で生活基盤を築く一方で、地方に残された家が管理されないまま放置され、空き家になるケースが多発しています。
• 住宅供給過多
日本では長年、新築住宅の供給が過剰になっており、既存の住宅が空き家となってしまうことが問題視されています。今後も新築志向が続く限り、空き家数はさらに増加する可能性があります。

3. 空き家が増えることで生じる社会的な問題

空き家の増加は単なる不動産問題に留まらず、さまざまな社会的な問題を引き起こす原因となります。主な問題点を以下に挙げます。

• 治安や衛生面の悪化
空き家が放置されると、無断で立ち入る不法侵入者や犯罪の温床となるリスクが高まります。また、ゴミの不法投棄や、害虫・害獣の発生による衛生問題も発生し、地域住民に悪影響を及ぼすことがあります。
• 災害リスクの増加
老朽化した空き家は、台風や地震などの災害時に倒壊するリスクが高まります。特に耐震基準を満たしていない古い建物は災害時に倒壊する可能性が高く、周囲の建物や住民にも被害を及ぼす恐れがあります。
• 地域の景観や不動産価値の低下
空き家が増えることで地域全体の景観が悪化し、その結果、周辺の不動産価値が下がることがあります。空き家が多く存在するエリアでは、新たな住民や事業者が入居しにくくなるため、さらに空き家が増える悪循環に陥ることもあります。
• 行政コストの増大
自治体にとっても空き家対策は大きな負担です。空き家の管理や解体費用が増加する一方で、税収が減少するため、自治体の財政に悪影響を及ぼします。また、放置された空き家が原因で起こる問題に対応するためのコストも無視できません。

4. 早めの対策が必要な理由

空き家問題が深刻化する中で、所有者にとって早めの対策を取ることが強く推奨されます。以下の理由から、空き家を放置せずに対策を講じることが重要です。

• 固定資産税の負担増加
空き家を放置すると、特定空き家に認定され、固定資産税の軽減措置が解除されることがあります。これにより、固定資産税が最大で6倍に増えるリスクがあるため、空き家の管理は早急に行うべきです。
• 管理費や修繕費の増加
放置された空き家は、時間が経つほど修繕費や解体費が増加します。早めにメンテナンスを行うことで、大規模な修繕や解体を避けることができるため、所有者の負担を軽減することが可能です。
• 売却や賃貸のタイミングを逃さない
空き家が老朽化すると、売却や賃貸に出すことが難しくなります。早めにリフォームや修繕を行い、市場に出すことで、不動産としての価値を維持し、早期に活用することができます。また、地方移住やテレワークの普及などの新しいニーズに応じた活用方法を模索することも重要です。
• 地域社会への貢献
空き家を放置することは、地域全体に悪影響を及ぼす可能性がありますが、逆に空き家を活用することで地域社会に貢献することもできます。例えば、地域のコミュニティスペースやシェアハウスとして活用することで、新たな住民を呼び込み、地域の活性化に繋げることができます。

5. 空き家対策の具体的なステップ

空き家を所有している場合、以下の具体的なステップを踏むことで、空き家の管理や活用がスムーズに進むでしょう。

1. 現状把握とメンテナンスの実施
まずは、空き家の現状を把握し、老朽化や管理状況を確認します。必要に応じて定期的なメンテナンスや修繕を行い、建物の安全性や衛生面を確保しましょう。
2. 売却・賃貸の検討
空き家を維持することが難しい場合、早めに売却や賃貸に出すことを検討しましょう。特に空き家バンクや地方移住者向けの支援制度を活用することで、スムーズに買い手や借り手を見つけることができるかもしれません。
3. リノベーションや活用方法の模索
空き家をそのまま放置するのではなく、リノベーションや改装を行い、シェアハウスやコワーキングスペースとしての活用も視野に入れて検討しましょう。地域のニーズに応じた活用方法を模索することが大切です。

まとめ

今後、空き家の数はさらに増加すると予測されており、社会的な問題も深刻化していくことが懸念されています。空き家を所有している方にとって、早めの対策を取ることは、固定資産税の負担や修繕費用の増加を避けるために重要です。また、空き家の活用方法を積極的に模索することで、地域社会に貢献しながら、新たな価値を生み出すことも可能です。放置せず、今からできる対策を進めていきましょう。