空き家を相続した人が海外在住!売却や管理はどう進めるべき?
海外に住んでいる人が日本国内の空き家を相続した場合でも、売却や管理は可能です。
ただし、日本国内に住んでいる相続人と比べて、相続登記や売却手続き、税務、現地管理などで確認すべきポイントが増えます。
特に重要なのが、相続登記を放置しないこと、売却や管理を任せる国内の専門家を決めること、そして非居住者としての税務手続きを確認することです。
この記事では、海外在住の人が日本の空き家を相続した場合に、どのような流れで売却や管理を進めればよいのかを解説します。
海外在住でも日本の空き家は売却できる
海外に住んでいることを理由に、日本国内の不動産を売却できなくなるわけではありません。
ただし、売買契約や所有権移転登記などでは本人確認や必要書類の準備が必要になるため、海外にいながら手続きを進める場合は、国内の不動産会社や司法書士などと連携して進めることが一般的です。
また、相続した不動産については、まず現在の登記名義や相続関係を確認することが重要です。
2024年4月1日から相続登記が義務化され、相続によって不動産を取得したことを知った日から原則3年以内に相続登記を申請する必要があります。
正当な理由なく申請を怠った場合には、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。(法務省)
そのため、「海外にいるから手続きができない」と考えて放置するのではなく、早めに専門家へ相談することが大切です。
最初に確認したい相続登記と相続人の状況
空き家を売却する前に、誰が所有者になるのかを明確にする必要があります。
遺言書がある場合はその内容を確認し、遺言書がない場合には相続人の間で遺産分割について話し合います。
遺産分割が成立していない段階では、相続人全員が法定相続分に応じて不動産を共有する状態になることがあります。
売却を進める場合も、誰が売却するのか、売却代金をどのように分けるのかなどを相続人間で整理しておくことが重要です。(法務局)
海外在住の相続人が一人だけで判断できるとは限らないため、他の相続人がいる場合は、最初に権利関係を整理しておきましょう。
海外在住者が相続登記を進める際の注意点
海外に住んでいて日本国内の住民登録がない場合、一般的な国内居住者とは必要書類が異なることがあります。
たとえば、海外在住の日本人が日本で不動産登記などを行う際、印鑑証明書の代わりに在外公館が発給する署名証明を利用するケースがあります。
外務省によると、海外に在留して日本に住民登録をしていない日本人について、署名証明は日本の印鑑証明に代わるものとして、不動産登記などの手続きに利用されています。
ただし、必要な証明方法は提出先によって異なるため、事前に確認することが必要です。(外務省)
また、在外公館では証明のオンライン申請に対応している場合もありますが、利用できる手続きや受け取り方法は公館によって異なります。(外務省)
相続登記を自分だけで進めようとすると、書類の取得や海外からの郵送などで時間がかかる可能性があります。
司法書士などの専門家に必要書類を確認してもらうと、手続きを整理しやすくなります。
空き家を売却するなら国内の窓口を決める
海外在住で空き家を売却する場合、現地に行かずに手続きを進められる体制を整えておくことが重要です。
まずは、物件の所在地や状態を確認できる不動産会社に相談します。
現地の確認では、建物の劣化状況、残置物、庭木や雑草、雨漏り、屋根や外壁などを確認する必要があります。
海外から何度も帰国して確認するのは負担が大きいため、現地確認や査定、購入希望者への案内などを国内の不動産会社に依頼できる体制を作っておくとスムーズです。
売却に必要な書類についても、司法書士や不動産会社と確認しながら準備するとよいでしょう。
なお、委任によって手続きを進められる場合でも、どの手続きを誰に委任するのかを明確にする必要があります。
委任状などの書類については、自己判断で作成せず、司法書士などに確認することをおすすめします。
海外在住者が売却するときは税金にも注意
海外在住者が日本国内の空き家を売却する場合、税務上の扱いにも注意が必要です。
国税庁によると、非居住者が日本国内にある不動産を売却した場合、その譲渡による所得は日本で課税され、原則として確定申告が必要です。
さらに、非居住者が国内の不動産を売却して受け取る譲渡対価については、原則として10.21%の源泉徴収が行われます。(国税庁)
ただし、一定の条件を満たす場合には源泉徴収が不要となるケースもあります。
たとえば、譲渡対価が1億円以下で、買主が自己または親族の居住用として購入する場合などです。(国税庁)
また、確定申告などが必要になる場合には、納税管理人を選任して税務署へ届け出る必要があります。
納税管理人は、非居住者に代わって確定申告書の提出や税金の納付などを行います。(国税庁)
税額や源泉徴収の扱いは、相続した不動産の取得時期や売却価格、居住状況などによって変わるため、売却前に税理士や税務署へ確認しておくと安心です。
売却せず所有する場合は管理体制が重要
「すぐに売る予定はない」という場合でも、空き家をそのまま放置することは避けましょう。
人が住んでいない住宅は、換気不足による湿気、雨漏り、害虫、雑草、庭木の成長などによって劣化する可能性があります。
さらに、台風や大雨などで屋根や外壁が破損すると、近隣への被害につながることもあります。
海外在住の場合、自分で定期的に現地を確認することが難しいため、空き家管理サービスなどを利用して、定期的な巡回、換気、郵便物の確認、外観確認などを依頼する方法があります。
ただし、管理業者に依頼すればすべての問題が解決するわけではありません。
建物の修繕が必要になった場合や、近隣から相談があった場合などに、誰が判断するのかをあらかじめ決めておくことが重要です。
海外在住の相続人が空き家を放置しないための進め方
海外在住で空き家を相続した場合は、次の順番で整理すると進めやすくなります。
まず、相続人と遺産分割の状況を確認します。
次に、不動産の登記状況や固定資産税、建物の状態などを確認します。
そのうえで、相続登記が済んでいなければ、司法書士などに相談しながら必要書類を準備します。
売却する場合は、不動産会社に査定を依頼し、売却価格だけではなく、建物の状態や解体の必要性、残置物の処分なども含めて売却方法を検討します。
一方、すぐに売却しない場合は、空き家管理を依頼する会社を探し、定期的な管理体制を整えます。
そして、売却する場合には、非居住者としての税務上の手続きについても確認しておきます。
海外在住だからこそ早めの対応が大切
日本国内の空き家を海外から管理する場合、問題が発生してから対応しようとすると、現地確認や書類の準備に時間がかかります。
特に相続登記には期限があるため、相続したことを知った段階から早めに手続きを確認することが重要です。
相続登記は2024年4月1日より義務化され、過去の相続も対象となっています。(法務省)
また、空き家を売却するのか、管理しながら所有するのかによって必要な対応も変わります。
海外に住んでいるからこそ、国内で動いてくれる不動産会社や司法書士などの専門家を早い段階で見つけておくと、負担を抑えながら手続きを進めやすくなります。
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海外在住のまま日本の空き家を相続すると、現地確認、相続登記、売却、管理、税務など、さまざまな問題を一つずつ整理する必要があります。
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