空き家を活用して収益化するには?成功するためのポイントとは
空き家を収益化するには、単にリフォームして貸し出すのではなく、物件の立地や状態、地域の需要を見極めたうえで、用途を決めることが重要です。
代表的な方法には、賃貸住宅、戸建て賃貸、店舗・事務所、シェアハウス、宿泊施設などがあります。
ただし、用途によって必要な手続きや法規制が異なるため、収益性だけで判断するのは危険です。
この記事では、空き家を収益化する具体的な方法から、失敗を避けるためのポイント、法律面で注意したい事項まで解説します。
空き家を収益化する主な方法
空き家の活用方法は、物件の立地、建物の状態、周辺需要によって適したものが変わります。
賃貸住宅として活用する
比較的検討しやすいのが、空き家を住宅として貸し出す方法です。
一戸建ての場合、ファミリー世帯向けの賃貸住宅として活用できる可能性があります。
マンションやアパートとは異なり、庭や駐車場などを確保しやすい点がメリットです。
ただし、老朽化した建物では、入居前に修繕費が必要になる場合があります。
外壁、屋根、水回り、給排水設備、電気設備などを確認し、必要な工事費を把握してから収益性を判断することが大切です。
店舗や事務所として活用する
住宅としての需要が低い場合でも、立地によっては店舗や事務所として活用できるケースがあります。
駅周辺や商業地域では、飲食店や物販店、事務所などの需要が考えられます。
また、住宅地でも、地域のニーズに合った小規模な事業所などとして活用できる可能性があります。
ただし、用途変更や建築基準法、消防関係の規制などが関係する場合があります。
実際に事業用として利用する前に、自治体や専門家への確認が必要です。
宿泊施設として活用する
観光需要が見込める地域では、空き家を宿泊施設として活用する方法もあります。
ただし、いわゆる民泊は自由に営業できるわけではありません。住宅宿泊事業法に基づく民泊では、都道府県知事などへの届出が必要で、年間の提供日数は原則として180日以内です。
また、自治体の条例によって営業できる地域や期間が制限される場合があります。(国土交通省)
さらに、住宅宿泊事業法以外にも旅館業法による許可を取得して営業する方法などがあります。
どの制度を利用できるかは物件や地域によって異なるため、事前確認が欠かせません。
空き家の収益化で重要なのは「用途選び」
空き家活用で失敗しやすいのは、「空き家だから、とりあえずリフォームして貸そう」と考えてしまうことです。
重要なのは、先に周辺の需要を調査することです。
たとえば、ファミリー世帯が多い地域なら戸建て賃貸、観光客が多い地域なら宿泊施設、事業所が集まる地域なら店舗や事務所というように、地域の需要に合わせて用途を検討します。
同じ建物でも、用途を変えることで収益性が大きく変わる可能性があります。
一方で、需要がない用途に多額のリフォーム費用を投じると、家賃や売上だけでは投資額を回収できない可能性があります。
そのため、収益化を考える際は「何に使えるか」ではなく、「誰が、どのような目的で利用するのか」から考えることが重要です。
成功するために確認したい5つのポイント
立地と周辺需要を調査する
最初に確認したいのが立地です。
最寄り駅からの距離だけでなく、周辺の住宅需要、商業施設、学校、病院、観光施設、交通アクセスなどを確認します。
また、周辺に同じような賃貸物件や店舗、宿泊施設がどの程度あるのかを調べることも重要です。
需要が見込めない場合は、無理に活用するより売却など別の選択肢を検討したほうがよいケースもあります。
建物の状態を確認する
空き家は、長期間使用されていないことで劣化している可能性があります。
雨漏り、シロアリ、基礎や構造部分、屋根、外壁、水回り、給排水設備、電気設備などを確認し、必要な修繕費を見積もります。
見た目をきれいにするだけではなく、安全性や建物の状態を確認することが大切です。
特に築年数が古い建物では、耐震性などについても専門家に確認してもらうと安心です。
収益と費用を事前に計算する
家賃や売上だけを見て「儲かりそう」と判断してはいけません。
収益化には、リフォーム費用、設備費、固定資産税、保険料、管理費、修繕費、空室期間など、さまざまな費用が発生します。
たとえば賃貸住宅なら、想定家賃から年間の維持管理費や修繕費などを差し引き、初期投資額をどの程度の期間で回収できるのかを検討します。
宿泊施設の場合も、清掃費や管理費、予約サイトの利用に伴う費用などを考慮する必要があります。
法律や自治体のルールを確認する
空き家は、用途によって適用される法律や規制が変わります。
住宅として貸す場合、宿泊施設として利用する場合、店舗として利用する場合では必要な確認事項が異なります。
特に宿泊事業では、住宅宿泊事業法や旅館業法などのルールがあります。
住宅宿泊事業法による民泊を行う場合は、届出だけでなく、衛生管理、宿泊者への説明、宿泊者名簿、標識の掲示などの義務もあります。(国土交通省)
また、空き家を長期間放置することも避けなければなりません。
空家等対策の推進に関する特別措置法は改正され、管理不全空家等への対応も強化されています。(国土交通省)
専門家に相談してから投資する
空き家活用では、不動産、建築、税務、法律など複数の専門分野が関係します。
そのため、所有者だけで判断して大規模な改修工事を始めるのではなく、物件調査から活用方法、収支計画、必要な手続きまで一連の流れで確認することが重要です。
自治体によっては空き家の利活用を支援する取り組みや制度が設けられている場合もあります。
国土交通省も、空き家の利活用を促進するため、自治体と民間事業者が連携する取り組みを支援しています。(国土交通省)
空き家活用で避けたい失敗
空き家を収益化するときは、最初から大きな費用をかけすぎないことも重要です。
「古いから全面リフォームする」「おしゃれにすれば入居者が集まる」と考えるのではなく、必要な工事と不要な工事を分けて検討しましょう。
また、利回りだけで判断することもおすすめできません。
高い収益が期待できても、修繕費や管理費が高ければ実際の手残りは少なくなる可能性があります。
さらに、用途に応じた法令や自治体のルールを確認せずに営業を開始することは避ける必要があります。
特に民泊では、住宅宿泊事業法による営業日数の上限があり、年間180日を超えて住宅宿泊事業として営業することはできません。(国土交通省)
「収益化できるか」だけではなく、「適法に継続できるか」「維持管理できるか」まで含めて判断することが大切です。
空き家は「負動産」から「収益を生む不動産」に変えられる
空き家は、所有しているだけでも維持管理や税金などの負担が発生します。
一方で、立地や建物の特徴、地域の需要を正しく分析すれば、賃貸、店舗、事務所、宿泊施設など、さまざまな形で活用できる可能性があります。
成功のポイントは、リフォームありきで考えないことです。
まず物件の状態と市場を調査し、次に適した用途を選び、その用途に必要な費用と法令上の条件を確認します。
そのうえで収支をシミュレーションし、投資する価値があるかを判断することが重要です。
空き家の活用方法は、物件ごとに正解が異なります。
だからこそ、所有する空き家の可能性を客観的に分析することが、収益化への第一歩になります。
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