実家じまいで後悔しないために今から始めたい整理と準備
実家じまいを後悔しないためには、親が元気なうちから少しずつ整理と準備を始めることが大切です。
実家じまいとは、親が施設へ入居したり、亡くなったりすることなどをきっかけに、実家の家財や不動産を整理し、今後の管理や処分について決めていくことです。
実家には家具や衣類、思い出の品だけでなく、不動産に関する書類や権利証、契約書など重要なものが残されている場合があります。
何も決めないまま実家を空き家にしてしまうと、家財整理や維持管理に加え、相続や不動産の売却など、さまざまな問題を家族が抱えることになりかねません。
この記事では、実家じまいで後悔しないために、今から始めたい整理と準備について解説します。
実家じまいは早めの準備が重要
実家じまいは、実際に家を空けることになってから始めるより、親が元気で判断できる段階から進めるほうが負担を抑えやすくなります。
特に重要なのが、家財、不動産、相続、今後の管理方法について家族で話し合っておくことです。
親にとって実家は長年暮らしてきた大切な場所です。
そのため、子どもだけで処分を進めると、「まだ使えるのに捨てられた」「大切な思い出の品がなくなった」といったトラブルにつながる可能性があります。
まずは実家にあるものを一方的に処分するのではなく、何を残したいのか、何を処分してよいのかを家族で確認することから始めましょう。
最初に家族で実家の今後について話し合う
実家じまいで最初に決めておきたいのは、実家を今後どうするのかという方向性です。
例えば、次のような選択肢があります。
・誰かが住み続ける
・一定期間だけ空き家として管理する
・賃貸などで活用する
・売却する
・建物を解体して土地として活用または売却する
どの方法が適しているかは、建物の状態、立地、土地の価値、相続人の状況などによって異なります。
「とりあえず空き家にしておく」という選択をすると、その後の管理や固定資産税などの負担が発生します。
また、適切に管理されていない空き家は、倒壊や衛生、防犯などの面で周辺環境に影響を及ぼす可能性があります。
空家法の改正により、放置すれば特定空家になるおそれがある管理不全空家も、市区町村による指導や勧告の対象となっています。勧告を受けた場合には、住宅用地特例が適用されなくなることがあります。
そのため、実家をどうするのかを早めに家族で話し合い、方向性を決めておくことが重要です。
家財は一度に処分せず必要なものから整理する
実家じまいで大きな負担になりやすいのが、家財の整理です。
長年暮らしてきた実家には、家具や家電、衣類、食器、書籍、写真、アルバムなど、多くのものが残されています。
そこで、最初からすべて処分しようとするのではなく、まずは次のように分類すると整理しやすくなります。
・残すもの
・家族で引き取るもの
・処分するもの
・判断を保留するもの
特に写真や手紙、記念品などは、金銭的な価値だけでは判断できません。
本人や家族にとって大切なものは、処分を急がないことが大切です。
また、通帳、印鑑、不動産関係書類、保険証券、年金関係書類などが家財に紛れている可能性もあります。
家財を処分する前に、重要書類が残っていないか確認しておきましょう。
不動産関係の書類を整理しておく
実家じまいでは、家財だけでなく不動産に関する情報整理も重要です。
まず確認したいのが、土地や建物の所有者です。
登記簿上の名義が現在の所有者と一致しているか、土地と建物の名義が異なっていないかなどを確認しましょう。
親が所有者であれば、将来的に相続が発生した際に相続登記が必要になる可能性があります。
相続登記は令和6年4月1日から義務化されており、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請することが原則として必要です。
正当な理由がないのに申請を怠った場合は、10万円以下の過料の対象となる場合があります。
また、令和6年4月1日より前に発生した相続で、相続登記が済んでいない不動産についても義務化の対象となっており、原則として令和9年3月31日までに対応する必要があります。
実家を将来的に売却する可能性がある場合も、相続関係や登記名義を早めに確認しておくと安心です。
土地と建物の状態を確認する
不動産をどうするか考えるときは、建物の状態も確認しておきましょう。
築年数が古い場合は、屋根や外壁、雨漏り、床、給排水設備などに問題がないか確認します。
また、建物だけでなく土地についても確認が必要です。
土地の境界が明確になっているか、接道状況に問題がないか、隣地との境界について過去にトラブルがなかったかなどを確認しておくと、将来の売却や活用を検討する際に役立ちます。
ただし、専門的な調査が必要な事項については、自己判断だけで結論を出さず、不動産会社や土地家屋調査士、司法書士など、内容に応じた専門家へ相談することが大切です。
相続人と財産の状況を確認する
実家じまいでは、相続についても早めに確認しておきましょう。
特に重要なのは、実家を誰が相続するのかという点です。
相続人が複数いる場合、実家を誰が取得するのか、売却する場合はどうするのかなどについて、事前に話し合っておくことで、相続後のトラブルを防ぎやすくなります。
相続した不動産を売却する場合には、原則として相続登記を行って所有者を明確にする必要があります。
法務省も、相続した不動産の売却などを予定している場合には、早めに相続人の間で遺産分割の話し合いを行い、その結果に基づいて相続登記をするよう案内しています。
なお、相続関係や遺産分割には個別の事情があるため、複雑なケースでは司法書士や弁護士などへの相談も検討しましょう。
実家を空き家にするなら管理方法を決めておく
すぐに売却や活用をしない場合は、空き家になった後の管理方法を決めておく必要があります。
定期的な換気や清掃、庭木の管理、郵便物の確認、雨漏りなどの点検を行わずに放置すると、建物の劣化が進みやすくなります。
遠方に住んでいる場合は、自分で定期的に管理することが難しいケースもあります。
その場合は、空き家管理サービスなどの利用を検討する方法もあります。
ただし、管理を続けることが必ずしも最善とは限りません。
将来的に売却する予定があるなら、維持管理にかかる費用や手間と、不動産として売却する場合の可能性を比較しながら判断することが大切です。
売却する可能性があるなら早めに不動産価値を確認する
実家を今後使う予定がないのであれば、売却について早めに検討するのも一つの方法です。
売却を考える場合は、まず不動産会社などに相談し、土地や建物の価値を確認してみましょう。
査定を受けたからといって、必ず売却しなければならないわけではありません。
現在の不動産価値を把握しておけば、売却するのか、活用するのか、維持するのかを比較しやすくなります。
特に築年数が古い実家では、建物そのものだけでなく、土地の立地や面積、周辺環境なども含めて総合的に判断することが重要です。
また、古い建物だから必ず解体したほうがよい、空き家だから必ず売却したほうがよい、というわけではありません。
不動産の状態や地域の需要によって適した方法は異なるため、複数の選択肢を比較して決めることが大切です。
実家じまいで後悔しないために避けたいこと
実家じまいでは、焦ってすべてを決めてしまわないことも重要です。
特に避けたいのが、家族に相談せずに重要な家財や書類を処分することです。
また、不動産についても、価格だけを見て売却先を決めるのではなく、物件の状況や地域事情を踏まえて説明してくれる会社を選ぶ必要があります。
さらに、相続や登記について曖昧なまま売却手続きを進めることも避けましょう。
実家じまいは、家財整理、不動産、相続、税金など複数の問題が関係します。
自分だけで判断するのではなく、必要に応じて不動産会社、司法書士、税理士、土地家屋調査士などに相談し、それぞれの専門分野から確認してもらうことが安心につながります。
今から始める実家じまいの整理と準備
実家じまいをスムーズに進めるためには、次の順番で準備するとよいでしょう。
まず家族で実家の今後について話し合います。
次に、家財を整理しながら重要書類を確認します。
そのうえで、土地と建物の名義、登記状況、建物の状態などを確認します。
さらに、相続人や相続後の不動産の扱いについて話し合い、売却、活用、維持などの選択肢を比較します。
すぐに結論を出す必要はありませんが、何も決めないまま空き家として放置することは避けたほうがよいでしょう。
空き家を適切に管理しない状態が続くと、周辺環境への影響だけでなく、状況によっては行政から指導や勧告を受ける可能性があります。
だからこそ、実家じまいは「家を片付ける作業」だけではなく、「これから不動産をどうするのかを決める準備」と考えることが大切です。
実家じまいで迷ったら早めに専門家へ相談しましょう
実家じまいは、家族だけでは判断が難しい問題も少なくありません。
特に、相続人が複数いる、登記名義が古い、建物が老朽化している、遠方に住んでいる、売却と活用のどちらが適しているかわからないといった場合は、早めに専門家へ相談することで選択肢を整理しやすくなります。
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