実家の空き家を売却する前に確認したい7つのポイント
実家を相続したものの、誰も住む予定がなく「空き家のままにしておくより売却したい」と考える方は少なくありません。
ただし、空き家の売却は、一般的な中古住宅の売却と比べて、相続登記、建物の状態、残置物、境界、税金など確認すべき事項が多くあります。
売却を急ぐ前に、まず確認したいポイントは次の7つです。
1.所有者と相続登記の状況を確認する
最初に確認したいのが、現在の登記上の所有者です。
実家を相続した場合でも、登記名義が亡くなった親のままになっているケースがあります。
現在は相続登記の申請が義務化されており、相続によって不動産を取得したことを知った日などから原則3年以内に申請する必要があります。
正当な理由なく申請を怠った場合は、10万円以下の過料の対象となる場合があります。
また、相続人申告登記は相続登記の申請義務を簡易に履行するための制度ですが、それだけで相続した不動産を売却できる状態になるわけではありません。
売却する場合には、別途、相続登記が必要です。
そのため、売却を検討し始めた段階で、登記事項証明書などを確認し、誰が所有者なのか、相続人は誰なのかを整理しておきましょう。
2.土地と建物の権利関係を確認する
次に、土地と建物が誰の所有になっているのかを確認します。
実家の場合、土地と建物の名義が異なっていたり、共有名義になっていたりすることがあります。また、抵当権などの権利が登記されている場合もあります。
共有名義の場合は、売却に関係する権利者の確認が必要になるため、家族間で話を進める前に、登記内容を正確に把握しておくことが重要です。
さらに、土地の境界が明確になっているか、公図や地積測量図などで確認しておくと安心です。
境界が不明確な場合、売却時に測量や境界確認が必要になる可能性があります。
売却を依頼する不動産会社に、現状を見てもらったうえで必要な対応を確認しましょう。
3.建物の状態を確認する
長期間空き家になっていた実家は、雨漏り、シロアリ、屋根や外壁の劣化、給排水設備の不具合などが発生している可能性があります。
そこで、売却前に建物の状態を確認しておきましょう。
必要に応じて建物状況調査、いわゆるインスペクションを利用する方法もあります。
国土交通省では、既存住宅の売買において建物状況調査を活用するための制度を整備しています。
ただし、インスペクションを実施すれば必ず高く売れるというものではありません。
調査結果によっては修繕が必要になる場合もあります。
重要なのは、状態を把握しないまま大規模なリフォームを先に行うのではなく、売却を依頼する不動産会社などに相談し、地域の市場や買主の需要を踏まえて判断することです。
4.残置物や家財道具をどうするか決める
実家の売却では、家具、家電、衣類、食器などの残置物が問題になることがあります。
すべて自分たちで処分しようとすると、時間も労力もかかります。
特に遠方に住んでいる場合は、何度も実家へ足を運ぶことが負担になりがちです。
まずは、相続人の間で「残すもの」「処分するもの」「売却時に残しておくもの」を整理しましょう。
処分する場合は、自治体のルールや適切な処分業者を確認することが大切です。
また、不動産会社によっては残置物の整理や処分について提携業者を紹介してくれる場合があります。
売却相談の段階で、残置物が多いことも含めて正直に伝えておきましょう。
5.空き家のまま放置するリスクを確認する
「まだ売るか決めていないから、とりあえずそのままにしておこう」と考える方もいます。
しかし、空き家は人が住んでいないことで劣化が進みやすく、雑草、害虫、不法侵入、建物の破損など、さまざまな問題につながる可能性があります。
さらに、空家法の改正により、適切な管理がされていない「管理不全空家等」についても、市区町村による指導や勧告の対象となっています。
勧告を受けた場合、住宅用地に対する固定資産税の軽減措置が受けられなくなる可能性があります。
売却するか、活用するか、保有を続けるかを早めに検討し、少なくとも適切な管理を続けることが大切です。
6.売却価格だけでなく税金や費用を確認する
空き家を売却するときは、「いくらで売れるか」だけでなく、「最終的にいくら手元に残るか」を考える必要があります。
売却によって利益が生じた場合、譲渡所得に対して税金がかかる可能性があります。
一方、一定の要件を満たす場合には、被相続人の居住用財産である空き家について、譲渡所得から特別控除を受けられる制度があります。
国税庁も「被相続人の居住用財産を譲渡した場合の特別控除」を特例として案内しています。
ただし、適用にはさまざまな要件があります。「実家だから3,000万円控除が使える」と一律に判断することはできません。
売却前に、取得時の資料、相続関係書類、購入価格が分かる資料、売却にかかった費用などを整理し、必要に応じて税理士や税務署などに確認しましょう。
また、不動産会社へ仲介を依頼する場合は、仲介手数料などの費用も発生します。
仲介手数料には法律上の上限が定められているため、媒介契約を締結する前に、費用や業務内容を確認しておくことが重要です。
7.本当に「売却」が最適なのかを比較する
最後に確認したいのが、「売ることだけを前提にしていないか」という点です。
空き家は、売却する以外にも、賃貸、事業用への転用、修繕して活用するなど、さまざまな選択肢があります。
特に、売却価格が低くなりやすい物件では、売却にかかる費用や手間を考えると、活用したほうが所有者にとってメリットが大きいケースもあります。
反対に、今後の維持管理が難しい、遠方に住んでいて管理できない、相続人の間で保有する必要性がないといった場合は、売却が有力な選択肢になるでしょう。
不動産会社に相談するときは、「いくらで売れるか」だけではなく、「売却、賃貸、活用のどれが現実的か」という視点で提案してもらうことをおすすめします。
空き家は「売る」だけが答えではありません
実家の空き家を売却する前には、所有者、権利関係、建物の状態、残置物、管理状況、税金や費用、そして売却以外の選択肢まで確認することが大切です。
特に相続した空き家は、家族間の話し合いだけでは判断が難しいケースがあります。
登記や税金、建物の状態などを一つずつ整理し、専門家に相談しながら進めることで、売却後のトラブルを防ぎやすくなります。
また、売却を急ぐあまり、必要な確認を省いたり、物件の状態について事実と異なる説明をしたりすることは避けましょう。
売却条件や契約内容については、宅地建物取引業者などの専門家に確認し、適切な手続きを進めることが重要です。
売却以外の方法も含めて空き家の今後を考えるなら、空き家活用TEAMRに相談する方法もあります
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