空き家の換気はどれくらい必要?管理頻度の目安と効率的な方法を紹介
空き家の換気は、月1回から数回程度の管理をひとつの目安にするとよいでしょう。
ただし、すべての空き家に共通する法律上の換気頻度が定められているわけではありません。
国土交通省の令和6年空き家所有者実態調査では、管理者がいる空き家の管理頻度は「月に1から数回」が34.0%で最も多く、「週に1から数回」「月に1から数回」「ほぼ毎日」を合わせると約7割を占めています。
また、管理内容として「住宅の通風・換気」を行っている所有者も多く、換気は空き家管理の主要な作業のひとつです。(国土交通省)
ただし、重要なのは換気だけを行うことではありません。
換気のタイミングで雨漏りや破損、水回り、郵便物、庭木なども確認し、建物全体を適切に管理することが大切です。
空き家に換気が必要な理由
人が暮らしている住宅では、窓や扉の開閉、調理、入浴などによって自然に空気が動きます。
しかし、空き家になると生活に伴う換気がなくなり、室内の空気が滞留しやすくなります。
特に湿気がこもりやすい住宅では、カビなどが発生し、内装や建物の状態に影響する可能性があります。
さらに、空き家を訪問することには、建物の異常を早期に発見する意味もあります。
雨漏り、外壁や窓の破損、異臭、水回りの不具合などは、誰も住んでいなければ発見が遅れやすくなります。
国土交通省の資料でも、空き家管理の内容として通風・換気だけでなく、戸締まりの確認、室内の清掃、水回りの点検、郵便物の整理、傷みや雨漏りの確認などが挙げられています。(国土交通省自動車交通情報提供システム)
つまり、空き家の換気は「窓を開ける作業」だけではなく、定期的に建物の状態を確認する機会として考えることが重要です。
空き家の換気頻度は月1回から数回が目安
空き家の換気について「必ず月1回行わなければならない」といった一律の法的基準はありません。
そのため、まずは月1回程度を基本として、建物の状態や季節、立地などに応じて管理頻度を調整するのが現実的です。
国土交通省の令和6年調査でも、管理者がいる空き家の管理頻度は「月に1から数回」が34.0%と最も多くなっています。
次いで「年に1から数回」が27.6%、「週に1から数回」が19.1%、「ほぼ毎日」が17.7%となっています。(国土交通省)
この数字は「月1回が正解」という意味ではありません。
空き家の管理における実態を示したものであり、実際の頻度は物件ごとに判断する必要があります。
例えば、湿気がこもりやすい住宅や長期間締め切っている住宅では、よりこまめな確認を検討します。
一方で、頻度を増やすことだけを目的にするのではなく、換気と点検をまとめて効率的に行うことも大切です。
換気のときに確認したいポイント
空き家へ換気に行く場合は、窓を開けて終わりにせず、建物全体を確認しましょう。
まず、室内に入る前に建物の外観を確認します。
外壁や窓、雨戸などに破損がないか、屋根から雨漏りが発生した形跡がないか、敷地内にごみや不要物がないかなどを確認します。
室内では、窓や扉を適切に開けて空気を入れ替えます。
その際、天井や壁に雨漏りやカビの跡がないか、異臭が発生していないか、床や建具に異常がないかも確認します。
キッチン、浴室、洗面所、トイレなどの水回りも確認しておきたい場所です。
水回りの異常を放置すると、建物の状態に影響する可能性があるためです。
また、郵便物やチラシが溜まっていないか、庭木や雑草が伸びすぎていないかも確認しましょう。
国土交通省の調査では、空き家の管理内容として「外回りの清掃、草取り、剪定など」「戸締まりの確認」「住宅の通風・換気」が上位に挙げられています。
換気だけを目的に訪問するのではなく、複数の管理作業を組み合わせると効率的です。(国土交通省)
季節や天候に応じて管理頻度を調整する
空き家の管理は、年間を通して同じ頻度で同じ作業を行えばよいとは限りません。
梅雨から夏にかけては湿気が気になる時期です。
換気を行うだけでなく、壁や天井などにカビや雨漏りの兆候がないか確認しましょう。
また、台風や大雨、強風などの後には、通常の管理予定とは別に建物の状態を確認することも重要です。
国土交通省が示す空き家管理の考え方でも、地震、強風、大雨、著しい降雪などの後には、点検対象となる事象が発生していないか確認する必要があるとされています。(国土交通省)
ただし、災害後の建物に明らかな破損がある場合や、倒壊のおそれがある場合は、無理に建物内へ立ち入らないようにしましょう。
安全を確保したうえで、必要に応じて専門業者などへ相談することが大切です。
換気と点検をまとめて効率化する
空き家が自宅から近い場合は、換気と点検を同じ日にまとめることで管理の負担を抑えられます。
例えば、最初に建物の外観を確認し、異常がなければ室内へ入ります。
その後、窓や扉を開けて換気を行いながら、室内、水回り、郵便物などを確認します。
最後に窓や扉の施錠、室内の状態、敷地内の異常などを確認して終了します。
毎回確認する場所をあらかじめ決めておくことも有効です。
確認項目を一定にしておけば、前回は問題がなかった場所に変化がないか把握しやすくなります。
写真による記録を残しておく方法もあります。外壁、室内、雨漏りが気になる箇所などを定期的に撮影しておけば、状態の変化を比較しやすくなります。
また、管理を第三者へ依頼する場合には、作業内容と実施頻度を明確にしておくことが重要です。
国土交通省の不動産業者による空き家管理受託のガイドラインでも、作業内容や実施方法について、回数や頻度を明示し、管理委託契約に定めることが望ましいとされています。(国土交通省)
遠方の空き家は専門業者への依頼も検討する
空き家が遠方にある場合や、仕事などの事情で定期的な訪問が難しい場合は、自分だけで管理しようとせず、専門業者などへの依頼を検討する方法があります。
国土交通省も、空き家の管理を自分で行うことが難しい場合には、空き家管理業者や修繕業者などの利用を検討するよう案内しています。(国土交通省)
依頼する場合は、換気だけでなく、外観確認、室内点検、清掃、郵便物の整理など、どこまで対応してもらえるのかを確認しましょう。
特に重要なのが、異常を発見した場合の対応です。
写真付きで報告してもらえるのか、修繕が必要になった場合にどこまで対応してもらえるのかなどを事前に確認しておくと、管理後の対応がスムーズになります。
空き家の放置は法律上のリスクにもつながる
空き家を所有しているだけで直ちに法律上の問題になるわけではありません。
しかし、適切な管理を行わず、周辺の生活環境に悪影響を及ぼす状態になると、行政による対応の対象となる可能性があります。
空家等対策の推進に関する特別措置法では、令和5年の改正により「管理不全空家等」の制度が設けられました。
これは、適切な管理が行われておらず、そのまま放置すれば特定空家等になるおそれがある空き家について、市区町村が指導や勧告を行える制度です。(国土交通省)
また、管理不全空家等や特定空家等について勧告を受けた場合、一定の要件のもとで、その敷地が住宅用地特例の対象から外れ、固定資産税などの負担に影響する可能性があります。(国土交通省)
そのため、空き家を長期間使用しない場合でも、定期的に状態を確認し、必要な管理を行うことが大切です。
換気を続けながら空き家の今後も考える
空き家の管理では、現在の状態を維持することだけでなく、その先の活用方法について考えることも重要です。
今後、自分や家族が使用する予定があるのか、売却を検討するのか、賃貸などで活用するのかなど、所有者の事情によって適した選択肢は変わります。
特に、利用する予定がない空き家を長期間所有する場合は、換気や清掃などの管理に加えて、維持管理にかかる時間や費用についても考える必要があります。
建物の状態が悪化してから対応するよりも、定期的な管理を通じて現在の状態を把握し、早い段階から今後の方向性を検討するほうが、選択肢を整理しやすくなります。
空き家の換気は月1回から数回を目安に、状態に合わせて行う
空き家の換気は、月1回から数回程度をひとつの目安として、建物の状態や季節、立地などに応じて頻度を調整しましょう。
ただし、換気だけでは空き家を十分に管理できません。
外観や室内の点検、水回りの確認、清掃、郵便物の整理、庭木の管理などを組み合わせることが重要です。
遠方に住んでいるなどの理由で定期的な訪問が難しい場合は、専門業者への依頼も選択肢になります。
その際は、作業内容や頻度、異常が発見された場合の報告方法などを明確にしておきましょう。
そして、長期間使用する予定がない空き家については、管理を続けるだけでなく、売却や活用など、今後の方向性についても早めに検討することが大切です。
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