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絵画と人形に刻まれた記憶 空き家を資産に変える挑戦【TEAMR現場レポート茨城県平須町】

「空き家をどう活用すればいいのか?」

空き家を前にすると、多くの人は立ち尽くします。

「リフォームにお金がかかりそう…」

「活用するなんて無理じゃないか…」

「売れなかったら負動産になるかもしれない…」

そう考えると、つい放置してしまう。

その結果、全国で増え続ける空き家が社会問題となっています。

でも本当に「空き家=リスク」だけでしょうか?

私たちTEAMRは、そうは思っていません。

・空き家は資産になる。

・修繕ポイントと出口戦略を持てば、安定した投資対象になる。

・そして、何よりも「そこに暮らした人の想い」を未来へつなぐ存在になれる。

この理念のもと、TEAMRは日本一空き家問題を解決するチームを目指しています。

今日はその取り組みの一例として、水戸市平須町にある一軒の空き家をご紹介します。

街の中心に近い立地 水戸市平須町

平須町の空き家 立派な門構えが今も残る

今回取材した物件は、昭和39年に建てられ、昭和43年・47年に増築された木造2階建て。

延床面積は137.45㎡、売買価格は240万円。

場所は水戸市平須町。

茨城県庁まで車で5分というアクセスの良さが魅力です。

近代的な建築が目を引く茨城県庁

徒歩圏内にはドラッグストア、公園、小学校。

大通りに出ればスーパーや飲食店もあり、生活に不便のない環境です。

「空き家=人里離れた山奥」と思う方もいるかもしれませんが、この家は違います。

生活利便性が高い場所に残された、眠れる資源なのです。

平須町というまち ― 農村から住宅地へ、変わりゆく姿

平須町を一望 住宅地と自然が共存する街並み

この空き家がある平須町は、水戸市の南部に位置し、茨城町と境を接する地域です。

かつては小吹スイカで知られる農業地域でしたが、市街地に近いという地の利を活かして宅地化が進んできました。

エリアを俯瞰してみると、その特徴がよくわかります。

・南北に走る旧国道6号線沿いには住宅地が広がり、その北側には六番池団地が整然と並ぶ。

・近隣には大手自動車会社のモータープールがあり、産業と住宅が共存する景観。

・中央には「小吹清掃工場」を核とした温水プールや植物公園、園芸ハウスが整備され、体育館や野球場など市民の憩いの場も集積。

・さらに寿小学校や平須住宅、常陽銀行の総合グランド(野球場・テニスコート付き)もあり、教育・スポーツ環境が整っている。

このように平須町は「農業地域の歴史」と「宅地化の進展」とが交錯するエリア。

静かな暮らしやすさを残しつつも、都市機能が近接する地域です。

今回の空き家も、そうした地域の変化の只中に置かれています。

放置すればただの負動産に見える家も、まちの資産になり得るのです。

取材で感じた「家の記憶」と「再生の余地」

立派な門と荒れた庭  空き家の可能性と課題が同居する光景

敷地に足を踏み入れると、まず迎えてくれるのは古びているけれど立派な門構え。

庭には雑草が生い茂り、奥まで進むことはできませんでした。

しかし、その荒れた庭の中を注意深く見渡すと、探検のようなワクワク感が湧いてきます。

飛石の間に顔を出す雑草たちの隙間に、昔の住まい手が大切にしていた工芸品などの残置物がひっそりと存在しています。

飛び石の先に残る灯篭は、今は雑草に埋もれている

まるで雑草の奥にお宝が隠れているかのようです。

飛石が続く玄関アプローチは、雑草が取り除かれれば趣あるエントランスとして蘇るでしょう。

縁側に立てば、庭の奥に灯篭が見えます。

雑草に覆われた縁側も、手を加えれば暮らしを彩る空間に

今は草木に隠れてしまっていますが、剪定や手入れを行えば、静かで心地よい和の空間に生まれ変わる可能性があります。

玄関に入ると、富士山の絵が額縁に収められて飾られています。

靴入れや照明、天井の意匠からも、かつての住まい手のこだわりが伝わってきます。

富士山の絵が迎える玄関 靴入れや照明からも、当時の趣が伝わる

1階には作り付けの食器棚があるキッチン。

床や壁は汚れが目立ちますが、ハウスクリーニングをすれば再生可能な状態。

造り付けの食器棚と、コンロ脇に汚れが残る壁
冷蔵庫の跡が残る床と、錆びついたシンク 時の流れを感じさせる

水回り(トイレ・お風呂・洗面所)は比較的新しく、清潔感がありました。

水回りは比較的新しく、トイレや洗面台も清潔
広くてきれいなユニットバス

和室には掘りごたつや立派なタンス、日本人形やこけしなどが残されています。

残置物は一見“負担”に思えますが、工芸品や絵画の中には価値を持つものもあるかもしれません。

和室には掘りごたつがあり、日差しが差し込む明るい空間
残置物として、和室にタンスや日本人形が残されている

庭や家の中に散らばるこれらの品々には、空き家を資産として再生するヒントが隠されています。

TEAMRが大切にしているのは、遺品や残置物を単なるゴミではなく、次の価値へとつなげる視点です。

階段を上がると、2階には全部で4部屋あります。子供部屋らしき洋室や、壁材が剥がれた部屋もありますが、全体としては再生可能な範囲。

急勾配の階段も昭和の家ならでは。

残るお面や人形たちが、この家に刻まれた時間を静かに語っていました。

急な階段を上った先の和室 残された人形や絵画が家の記憶を語る
二階の広い廊下には、二つの子供部屋が並ぶ
洋室の壁は一部剥がれており、修繕が必要な状態

 

外に目を向けると、車庫にも残置物がそのまま残され、ツバメの巣らしきものもありました。

ガレージの外壁には雑草が迫っている 内部は残置物が
ガレージの内にはツバメの巣が2つ確認できる

庭の雑草は道路にまで伸び、管理の必要性を強く意識させられます。

庭の雑草と木々が伸び放題で、かつての暮らしの跡が今は見えにくい

しかし、こうした状態もまた、TEAMRが「資産に変える」手がかりとなるのです。

この家をどう活かすか ― TEAMRが描く未来

「240万円」という価格を聞いたとき、多くの人がこう思うかもしれません。

「安いけど…修繕にいくらかかるんだろう?」

「買っても活用方法が見つからなければ無駄になるのでは?」

ここで大切なのが、リスクを抑えた戦略です。

例えばこの家なら…

・最小限の修繕で住める状態に整え、賃貸として貸し出す

・立地を活かして民泊運営を検討する

・庭を整備して、小さなカフェやアトリエに活用する

高額なリノベーションをしなくても、「現状を活かした再生」は十分に可能です。

一人ではできないことを、チームで

私が空き家を取材する理由はシンプルです。

・増え続ける空き家をなんとかしたい

・子供たちに負動産を残したくない

・放置空き家をなくしたい

でも、これらは私一人では到底できません。

だからこそTEAMRがあります。

不動産の専門家、清掃や遺品整理のプロ、地域に根ざした事業者…。

それぞれの知識と経験を持ち寄ることで、空き家は「負動産」から「資産」へと変わります。

私たちは「10万戸の空き家解決」を本気で目指しています。

1人では無理でも、チームならできる。

あなたもTEAMRの仲間に

水戸市平須町の空き家を取材して改めて思ったことがあります。

空き家には「問題」だけでなく、「可能性」が眠っている。

古い門構えも、飛石のアプローチも、残された工芸品も。

それらをどう活かすかは、私たち次第です。

TEAMRは今、仲間を求めています。

空き家問題を解決したい人。

不動産活用に挑戦したい人。

残置物や遺品整理の目利きができる人。

地域の未来を一緒に作りたい人。

どんなスキルでも構いません。あなたの力が加われば、また一つ空き家が資産へと生まれ変わります。

空き家問題は、誰か一人の力で解決できるものではありません。

でも、TEAMRという仲間となら、きっとできる。

あなたも私たちと一緒に、空き家の未来を変えていきませんか?

 

TEAMR 運営サポートメンバー 鈴木 裕子

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