TEAMRサポートメンバーの私yukoは、ひたちなか市殿山町の住宅地へと向かいました。
この土地特有のどこか懐かしくて、心地よい空気感。
古い家と新しい家が調和するこの地域は、「住み継がれてきた街」の証ように感じました。
この物件は、みらい不動産が買い取り、650万円で売り出しています。
1980年9月築の軽量鉄骨造2階建て、3LDKで建築面積92.21㎡、土地面積192.31㎡。
実際に足を踏み入れ、この家が持つ「可能性」をレポートしました。
所有者の背景と、この家が売りに出された理由
取材の中で、前所有者ご家族の事情について伺いました。
ここには以前、お父さまがお住まいでした。
お父さまが亡くなられ、三回忌を終えたタイミングで「そろそろこの家をどうするか決めなければ」という思いがご家族の中で高まり、売却を検討することになったそうです。
空き家になってからの期間は約3年。
庭が驚くほど整っていたのは、娘さんが空き家期間中もこまめに手入れをされていたからでした。
あの清潔感ある庭からは、ご家族がこの家を大切に思い続けてきたことが伝わってきます。
なぜ“借受”ではなく“買取”だったのか？
当初みらい不動産からは、仲介売買や借受という選択肢も提案されていました。
しかし、ご家族としては長く所有してきた家についての気持ちの整理もあり、
「早めに手放したい」 「次の段階に進みたい」
という意向が強かったとのこと。
そのため、スピーディーに進められる買取という形が選ばれました。
みらい不動産が買取ってから販売開始までは約1ヶ月。
迅速に市場へと送り出されたことがわかります。
なぜ賃貸ではなく売却なのか？
賃貸に出す選択肢もありましたが、この物件は
「売買にすることで素早くキャッシュ化できる可能性が高い」
という判断から、まずは売物件として販売する方針に決まりました。
立地条件や建物状態、価格帯などを総合的に見て、売却向きの物件だったという背景もあります。
第一印象が教えてくれること
不動産において「第一印象」は驚くほど重要です。
どんなに内装が素晴らしくても、外観が荒れ果てていたら、そこに新しい暮らしをイメージすることは難しいからです。
物件に到着して最初に目に入ったのは、想像以上に整えられたエントランスでした。
「空き家」という言葉から連想される荒れた印象は、ここには一切ありません。
むしろ、次の住人を待っているかのように、丁寧に手入れされている様子が伝わってきました。
この物件の外観は、築40年以上経っているとは思えないほど清潔感がありました。
庭木も丁寧に整えられ、駐車スペースは2台分確保されています。
車を停めやすい配置になっているのも、実際に暮らす人の立場に立って考えられた証拠だと感じました。
光と風が通る、心地よい空間設計
玄関ドアは重厚感があり、内側に入ると広々とした玄関ホールが出迎えてくれました。
手すりが設置されており、高齢者への配慮も感じられます。
室内へ入ると、まず目に飛び込んでくるのが和室とリビングダイニングがつながった開放的な空間でした。
出窓と吐き出し窓の二方向から、日の光がたっぷり差し込みます。
取材中も照明を点ける必要がないほどの明るさ。
キッチンは独立型ながら、リビング・ダイニングの様子を見渡せる配置。
料理をしながら、庭で遊ぶ子どもたちの様子を見守ることができます。
これは、子育て世代にとって何よりも安心できる環境だと感じました。
システムキッチンは広く、調理スペースも確保されており、家事動線がスムーズです。
和室には、たっぷり入る押し入れ収納があります。
全居室に収納が備わっているのも、この物件の大きな魅力です。
トイレは1階と2階に一カ所ずつ。
どちらも温水洗浄便座付きで清潔感があります。
朝の忙しい時間帯、家族が多い家庭では2カ所のトイレは本当にありがたいですよね。
些細なことのようで、実は日常生活の質を大きく左右するポイントです。
驚きの水回り設備
正直に言うと、築40年以上の物件で最も不安を感じるのは水回りです。
しかし、この家の浴室を見たとき、その不安は一瞬で消えました。
浴室はきれいで広々とした1坪以上の空間。
オートバス、追炊き機能、浴室暖房、浴室乾燥機と、現代の生活に必要な設備が全て揃っています。
洗面台も比較的新しく、前のオーナーが丁寧にメンテナンスしてきたことが感じられました。
二階に広がる、もう一つの世界
階段を上がって二階へ。
ここには洋室一部屋と和室が一部屋あります。
どちらも日当たりが良く、二面開口という理想的な設計です。
洋室は子ども部屋や書斎として、和室は客間や趣味の部屋として使えそう、と感じました。
暮らしを楽しむ10坪の庭
家の脇を通って裏にある庭へ歩いてみました。
10坪以上という広さは、都市部では考えられない贅沢さです。
家庭菜園を始めることもできるし、バーベキューを楽しむこともできる。
ガーデニングが趣味の人なら、ここは理想の舞台になるでしょう。
この庭は道路に面していないため、外からの視線を気にせず子どもを遊ばせられます。
庭に面したリビングやキッチンからも目が届き、安心感バツグンです。
この土地が持つ、かけがえのない価値
ひたちなか市殿山町という立地の素晴らしさも忘れてはいけません。
海までわずか徒歩10分という距離。
平磯海水浴場には、地元で愛される「クジラの大ちゃん」があります。
週末の朝、散歩がてら海を見に行く。
そんな贅沢な暮らしが、ここでは当たり前になるのです。
車で5分の距離には、那珂湊おさかな市場があります。
公式サイトによれば、
「目の前の太平洋で捕れた魚が、水揚げされ、せりおとされた魚が、店に並びます。他にない鮮度の良さで各店勝負！！」とのこと。
新鮮な海の幸を日常的に楽しめる環境は、食にこだわる人にとって何物にも代えがたいですよね。
北には「国営ひたち海浜公園」、南には「アクアワールド大洗水族館」（車で8分）。
週末のレジャーに困ることはありません。
特に子育て世代にとって、これだけの観光資源が身近にあるのは大きな魅力でしょう。
駅から離れた内陸側には畑や田んぼが並びます。
のどかな住宅地という表現がぴったりの環境。
都会の喧騒から離れ、自然に囲まれた暮らし。
それでいて生活に必要な施設は揃っている。
このバランスこそが、ひたちなか市の魅力です。
650万円という価格が意味するもの
この物件の価格は650万円。
この数字をどう捉えるかは人それぞれ。
都心の新築マンションなら、頭金にもならない金額です。
しかし、ここでは一戸建て、しかも土地付きで手に入る。
住宅ローンを組めば、月々の支払いは賃貸物件の家賃よりも安くなる可能性さえあります。
もちろん、築40年という年数を考えれば、リフォームやメンテナンスが必要になる部分もあるでしょう。
しかし、それこそがこの物件の本質的な価値なのです。
自分の手で、少しずつ理想の住まいに育てていく。
DIYで壁を塗り替えたり、庭に花を植えたり。
そういった「家を育てる楽しみ」を味わえるのは、新築マンションにはない魅力です。
市場の反応と現在の状況
販売開始からの反響はとても大きかったそうです。
立地・状態・価格・清潔感が揃った物件として、多くの問い合わせが寄せられたとのこと。
そして すでに売買は成立。
現地を歩いた私自身、この結果に大きく頷けました。
海のまちで暮らすという選択
取材を通じて強く感じたのは、「家」は単なる建物ではないということ。
それは、暮らしの器であり、人生の舞台であり、思い出を紡ぐ場所です。
都会の便利なマンションで暮らすのも一つの選択でしょう。
しかし、自分の手で育てられる家を持ち、海の見えるまちで暮らす。
そんな人生の選択肢があることを、もっと多くの人に知ってほしい。
この物件も、誰かが手を入れなければ、やがて本当の「空き家」になってしまうかもしれない。
しかし、新しいオーナーによって愛情を注げば、また何十年も人を幸せにする住まいになるでしょう。
現実的な検討ポイント
もちろん、感情だけで家は買えません。現実的な視点も必要です。
ひたちなか海浜鉄道平磯駅から徒歩17分という距離は、車がない生活では少し不便かもしれません。
築年数を考えれば、給排水設備の点検や更新が必要になる可能性もあります。
屋根や外壁のメンテナンスも計画的に行う必要があるでしょう。
しかし、それらを含めても、この価格帯で購入できる物件としては非常に魅力的に感じました。
リフォーム費用を含めても1000万円以下で、理想の住まいを手に入れられる可能性がある。
それは、人生の選択肢を大きく広げることにつながるでしょう。
TEAMRが拓く、新しい空き家活用のかたち
数字だけ見れば、築40年以上の中古物件に過ぎない、ひたちなか市殿山町の空き家。
しかし、実際に足を運び、空気を感じ、光を浴びてみると、この家が持つ可能性が見えてきました。
TEAMRに加入するということは、単に物件情報を得るということではありません。
空き家を再生し、地域を活性化し、自分自身も豊かになる。そんな循環の中に身を置くことができるのです。
一人では不安なことも、仲間がいれば乗り越えられる。
リフォームのノウハウを共有し、おすすめの業者を紹介し合う。そんなコミュニティが、TEAMRにはあります。
この記事を読んでいるあなたは、もしかしたら人生の転機を迎えているのかもしれません。
仕事の節目、家族構成の変化、あるいは単に「何か新しいことを始めたい」という漠然とした想い。
その想いに、形を与えることができる。それが、この物件であり、TEAMRです。
TEAMRでは、共に地域の空き家を未来へつなぐ仲間を募集しています。
あなたの想いを、次の“現場”で活かしてみませんか？
TEAMR 運営サポートメンバー 鈴木 裕子
X：yuko＠つなぐ空き家netTEAMR (@yuko_akiya_home) / X
HP：つなぐ空き家net | 空き家のお悩み情報サイト 水戸市空き家管理