8月の帰省で確認!実家の空き家リスクを見逃さない方法
8月の帰省は、実家の将来を考える絶好のタイミングです。
親が今は暮らしていても、入院や施設への入居、相続などをきっかけに、実家が空き家になる可能性はあります。
特に注意したいのは、空き家になってから対策するのではなく、まだ家族が集まれるうちに状態や管理方法を確認しておくことです。
空き家を長期間放置すると、建物の劣化だけでなく、防犯や衛生、近隣環境への影響などさまざまな問題につながります。
国土交通省も、空き家は適切に管理し、早めに活用や除却などの対応を検討することが重要だとしています。(国土交通省)
今年の帰省では、家族との会話だけで終わらせず、実家そのものを確認してみましょう。
まず確認したい「空き家予備軍」のサイン
最初に確認したいのは、今後その家に誰が住み続けるのかという点です。
たとえば、次のような状況がある場合は、空き家になる可能性を具体的に考える必要があります。
親が高齢になり、将来的に施設や子どもの家への転居を検討している
子ども世代が遠方に住んでおり、実家に戻る予定がない
家族の誰も将来の実家の管理について話し合っていない
親が亡くなった後の相続について、家族間で決まっていない
現在でも使っていない部屋や建物が多い
特に重要なのが「誰が住むか」だけではなく「誰が管理するか」です。
実家を相続しても、自宅から遠く離れていれば、定期的な換気や清掃、庭の手入れ、設備の確認などを続けることは簡単ではありません。
空き家の所有者や管理者には、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう適切に管理することが求められています。(e-Gov 法令検索)
帰省したら建物の外側をチェック
実家を確認するときは、まず外から見てみましょう。
屋根や外壁に大きな傷みがないか
雨どいや排水設備が壊れていないか
庭木や雑草が伸び放題になっていないか
塀やフェンスに破損がないか
窓ガラスや雨戸に破損がないか
郵便物が大量にたまっていないか
こうした変化は、建物が適切に管理されているかを判断する目安になります。
ただし、屋根に上ったり、高所の設備を自分で確認したりする必要はありません。
危険を感じる場所には無理に立ち入らず、必要に応じて専門家に確認を依頼しましょう。
また、外壁の一部が剥がれている、屋根から雨漏りしている、庭木が道路や隣地に張り出しているといった状態は、単なる「古い家」の問題として放置しないことが大切です。
家の中では「水・電気・湿気」を確認
室内では、水回りと湿気の状態を重点的に確認します。
水漏れやカビがないか
天井や壁に雨漏りの跡がないか
窓を閉め切ったままになっていないか
水道設備に異常がないか
給湯器などの設備が正常に動くか
ブレーカーや電気設備に異常がないか
長期間使われていない住宅は、目に見えない部分でも劣化が進んでいる場合があります。
特に雨漏りや水漏れを放置すると、建物内部の傷みにつながる可能性があります。
気になる箇所を見つけたら、写真を残しておくと、後から家族や専門家に相談するときにも役立ちます。
「誰の家なのか」を確認する
空き家問題では、建物の状態と同じくらい重要なのが所有関係です。
親が所有していると思っていても、登記上の名義が以前の所有者のままになっているケースがあります。
現在の登記名義人は誰なのか
土地と建物の名義は一致しているか
共有名義になっていないか
相続が発生している場合、必要な手続きは進んでいるか
この機会に確認しておきましょう。
2024年4月から相続登記の申請が義務化され、相続によって不動産を取得したことを知った日から原則3年以内に申請する必要があります。
正当な理由なく申請を怠った場合は、10万円以下の過料の対象となる制度です。(法務省)
なお、2024年4月1日より前に相続した不動産についても、相続登記が済んでいない場合は義務化の対象となり、原則として2027年3月31日までに対応する必要があります。(法務省)
「親の名義だからまだ大丈夫」と考えず、登記や相続の状況を早めに確認しておくことが大切です。
固定資産税だけでなく管理の負担も考える
実家を空き家にすると、住んでいなくても所有している限り、固定資産税などの負担が発生します。
さらに、定期的な清掃や草刈り、設備の点検、修繕、防犯対策なども必要になります。
ここで注意したいのが、空き家を放置することで税負担に影響する可能性があることです。
空家等対策の推進に関する特別措置法では、適切な管理が行われず、放置すれば特定空家等になるおそれがある空き家を「管理不全空家等」として、市区町村が指導する仕組みがあります。
さらに、勧告を受けた管理不全空家等や特定空家等については、一定の要件のもとで住宅用地特例が解除され、土地の固定資産税負担が増える可能性があります。(国土交通省)
「誰も住んでいないだけ」と考えて放置するのではなく、状態が悪化する前に対策を検討しましょう。
帰省中に家族で決めておきたい3つのこと
実家の確認が終わったら、家族で次の3点を話し合っておくことをおすすめします。
ひとつ目は、今後誰が住むのかです。
親が住み続けるのか、子どもが戻る可能性があるのか、それとも将来的に誰も住まないのかを整理します。
ふたつ目は、誰が管理するのかです。
遠方に住んでいる場合は、現実的に管理できる人がいるかを考えます。
管理する人が決まらないまま空き家になると、問題が先送りされてしまいます。
みっつ目は、使わなくなった場合にどうするのかです。
売却、賃貸、建物の除却、空き家としての活用など、選択肢は一つではありません。
相続した土地については、一定の要件を満たす場合に土地の所有権を国庫に帰属させる相続土地国庫帰属制度もあります。
ただし、すべての土地が対象になるわけではなく、審査や負担金もあるため、利用を検討する場合は法務局などの公的窓口で制度の条件を確認する必要があります。(法務省)
重要なのは、「とりあえず誰かが相続する」という決め方をしないことです。
空き家になる前に「活用」という選択肢を考える
実家を今後使う予定がない場合、空き家になってから考えるのではなく、活用方法を早めに検討する方法もあります。
たとえば、状態によっては住宅として貸す方法や、専門事業者に相談して再活用する方法があります。
空き家は、建物の状態や立地、周辺の賃貸需要などによって活用方法が変わります。
そのため「古いから使えない」「田舎だから売れない」と最初から決めつけるのではなく、まず専門家に現地を見てもらい、どのような可能性があるのかを確認することが大切です。
8月の帰省を「実家の将来を決める日」にする
空き家対策で最も避けたいのは、問題が明確になっているのに何年も先送りしてしまうことです。
今回の帰省では、まず実家の状態を確認する。
次に、所有者や相続の状況を確認する。
そして、誰が管理するのか、将来誰が住むのかを家族で話し合う。
最後に、使わない可能性が高いのであれば、売却や賃貸、活用などの具体的な選択肢を専門家に相談する。
この順番で進めると、漠然とした不安を具体的な行動に変えやすくなります。
実家がまだ使える状態なら、空き家になってしまう前に活用方法を検討できる可能性があります。
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