空き家の相続人が見つからない場合は?売却までの進め方を解説
空き家の所有者が亡くなったものの、相続人が見つからない場合、相続人の確認ができないまま自由に売却することはできません。
まず重要なのは、「相続人が本当にいない」のか、それとも「相続人はいるものの所在が分からない」のかを区別することです。
相続人が存在しないことが明らかになった場合は、家庭裁判所に相続財産清算人の選任を申し立て、選任された清算人が相続財産を整理します。
必要に応じて家庭裁判所の許可を得たうえで、空き家などの不動産を売却することも可能です。(裁判所)
一方、相続人がいるものの行方が分からない場合は、不在者財産管理人など別の手続きが必要になることがあります。(裁判所)
この記事では、相続人が見つからない空き家を売却するまでの流れと、注意すべきポイントを解説します。
相続人が見つからない空き家は勝手に売却できない
相続が発生したからといって、親族や近隣の人が所有者に代わって空き家を売却できるわけではありません。
売却するには、原則として不動産を処分する権限を持つ人が必要です。
そのため、最初に行うべきなのが相続関係の確認です。
被相続人の戸籍などを調査し、配偶者や子、さらに必要に応じて父母や兄弟姉妹など、法定相続人の有無を確認します。
この調査を行わず、「身寄りがなさそうだから相続人はいない」と判断するのは避けなければなりません。
相続人がいるにもかかわらず所在が分からないケースと、法律上の相続人が存在しないケースでは、必要となる手続きが大きく異なるためです。
まず確認したい「相続人が見つからない」の意味
相続人が見つからない場合には、大きく分けて二つのケースがあります。
一つ目は、相続人がいるものの、住所や連絡先が分からないケースです。
二つ目は、戸籍などを調査しても相続人が存在しないことが明らかなケースです。
また、相続人全員が相続放棄をしたことで、結果的に相続する人がいなくなるケースもあります。
裁判所も、相続人の存在・不存在が明らかでない場合や、相続人全員が相続放棄した場合を相続財産清算人の対象として案内しています。(裁判所)
したがって、単に連絡が取れないだけなのか、相続人そのものが存在しないのかを慎重に確認することが重要です。
相続人がいるが行方が分からない場合
相続人の存在は確認できたものの、その人が長期間行方不明になっている場合は、不在者財産管理人の制度を利用できる可能性があります。
不在者財産管理人は、従来の住所や居所を離れ、容易に戻る見込みがない人の財産を管理するために家庭裁判所が選任する人です。
不在者財産管理人は、家庭裁判所の許可を得ることで、不在者に代わって遺産分割や不動産の売却などを行うことができます。(裁判所)
つまり、「相続人が見つからないから売却できない」とすぐに諦める必要はありません。
ただし、相続人の利益を守るための手続きであるため、通常の不動産売却のように自由に進められるわけではありません。
相続人が本当にいない場合は相続財産清算人を選任する
戸籍などを調査した結果、法律上の相続人が存在しない場合には、相続財産清算人の選任を検討します。
相続財産清算人とは、相続人が存在しない場合などに、被相続人の財産や債務を整理する役割を担う人です。
家庭裁判所は、利害関係人などからの申立てを受けて相続財産清算人を選任します。
申立先は原則として被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。(裁判所)
相続財産清算人が選任されると、債権者や受遺者の確認、債務の支払いなどを行い、残った財産を整理していきます。
相続財産清算人が選任された後の流れ
相続財産清算人による手続きは、一般的に次のように進みます。
まず、家庭裁判所が相続財産清算人の選任と相続人を捜すための公告を行います。
この公告期間が満了しても相続人が現れなければ、相続人がいないことが確定します。
その後、債権者や受遺者を確認するための公告などが行われ、必要に応じて相続財産の清算が進められます。
特別縁故者に対する相続財産分与の申立てが行われる場合もあります。(裁判所)
そして、必要がある場合には、相続財産清算人が家庭裁判所の許可を得て、不動産を売却して現金化することができます。(裁判所)
そのため、相続人がいない空き家を売却する場合は、「相続財産清算人の選任から売却まで」という流れを理解しておくことが大切です。
空き家を売却するまでに確認しておきたいこと
相続人が見つからない空き家では、売却そのものだけでなく、建物や土地についても確認が必要です。
まず、不動産の登記事項を確認し、誰が所有者として登記されているのかを確認します。
次に、固定資産税の状況や土地・建物の権利関係、境界、建物の状態などを確認します。
特に長期間放置された空き家では、雨漏りや腐食、害虫、設備の故障などが発生している可能性があります。
また、相続人が見つからないからといって、無断で建物を解体したり、荷物を処分したりすることは避ける必要があります。
相続財産清算人など、適切な権限を持つ人が法的な手続きを踏んで処分することが重要です。
売却前に専門家へ相談することが重要
相続人が見つからない空き家は、通常の相続不動産よりも確認事項が多くなります。
戸籍調査については司法書士など、家庭裁判所への申立てについては弁護士や司法書士などの専門家への相談を検討するとよいでしょう。
また、売却については不動産会社に相談し、物件の状態や市場性、売却方法などを確認します。
ただし、不動産会社に相談しただけで所有者に代わって売却できるようになるわけではありません。
相続財産清算人など、適切な処分権限を持つ人を確定したうえで、売却手続きを進める必要があります。
相続人がいない空き家は最終的にどうなる?
相続人が存在せず、清算手続きなどを経て残った財産は、原則として国庫に帰属します。
ただし、被相続人と特別な縁故があった人については、一定の要件のもとで相続財産の分与が認められる場合があります。(裁判所)
そのため、「相続人がいない=すぐに国のものになる」というわけではありません。
相続財産清算人による調査や清算、必要な手続きを経たうえで、残った財産の帰属が決まります。
空き家の売却では税金にも注意する
相続関係の整理が終わり、空き家を売却する段階になった場合には、譲渡所得など税務上の問題にも注意が必要です。
相続や遺贈によって取得した土地・建物を売却する場合、取得費や取得時期について一定のルールがあります。
国税庁によると、原則として被相続人の取得費や取得時期を引き継いで計算します。(国税庁)
また、被相続人が住んでいた空き家については、一定の要件を満たす場合に「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除」が利用できる場合があります。
ただし、この特例には対象となる住宅の要件や売却期限などが定められているため、相続人不存在のケースに当然に適用できるとは限りません。(国税庁)
税務上の判断が必要な場合は、税理士や税務署などに確認することが大切です。
相続人が見つからない空き家は早めの整理が大切
相続人が見つからない空き家は、通常の相続不動産と比べて売却までに時間がかかる可能性があります。
特に重要なのは、最初に相続人の有無と所在を正確に確認することです。
相続人がいるものの行方が分からない場合は不在者財産管理人、相続人そのものが存在しない場合は相続財産清算人など、状況に応じた制度を利用する必要があります。
また、相続財産清算人が必要なケースでは、家庭裁判所による手続きや公告などが関係するため、一般的な空き家売却よりも長期化する可能性があります。
空き家を放置すると、建物の老朽化や管理負担が増えるだけでなく、売却に必要な確認事項も増える可能性があります。
できるだけ早い段階で、相続関係と不動産の状況を整理しておきましょう。
相続人が見つからない空き家の売却で迷ったらTEAMRへ
「思い出の詰まった実家を手放したくない。
でも、リフォームするお金も管理する時間もない…」
相模原市・八王子市・町田市で、そんなお悩みを抱えていませんか?
「固定資産税くらいが賄えて、家が傷まないように維持できれば・・」——私たちは、そんなオーナー様の想いを大切にしています。
「売らない・壊さない・お金もかからない」
TEAMR相模原なら、今のままの状態で家賃をお支払いします。
地域に密着して建物の原状回復を手がけてきた技術者集団として、内装の修繕からクリーニング、入居者様のお探しまで、私たちが引き受けてお家を蘇らせます。
初期費用のご負担少なく、大切な実家を残しながら維持費の心配から解放される「手放さない空き家活用」。
あなたの「残したい」に寄り添う新しい選択肢として、まずはTEAM R相模原へお気軽にご相談ください。