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実は知らぬ間にかかっている!?空き家にかかる費用と手間

空き家は、住んでいない状態でも費用や手間がかかるものです。多くの人が「空き家だからお金はかからない」「放置しておけばいい」と考えがちですが、実際には管理や維持のために様々なコストが発生します。さらに、放置することでリスクが増し、最終的には大きな負担を抱えることになる可能性もあります。本記事では、空き家にかかる具体的な費用や手間、そしてその負担を減らすための対策について詳しく解説します。

1. 空き家にかかる代表的な費用

空き家を所有しているだけで発生する費用は意外に多く、放置することが大きな経済的負担になることも少なくありません。以下は、空き家を持つ際にかかる主な費用です。

1.1 固定資産税・都市計画税

最も大きな負担となるのが固定資産税と都市計画税です。住宅が建っている土地には、通常、税金の軽減措置が適用されます。具体的には、住宅用地として利用されている土地に対しては、固定資産税の評価額が小規模住宅用地であれば6分の1、大規模住宅用地であれば3分の1に軽減されます。

しかし、空き家が特定空き家に認定されると、この軽減措置が適用されなくなり、固定資産税が大幅に増加します。軽減措置が外れると、固定資産税が最大で6倍にもなる可能性があり、所有者にとっては大きな負担となります。

1.2 メンテナンス・修繕費

空き家でも定期的なメンテナンスが必要です。例えば、雨漏りの修理や外壁の補修、庭の手入れなどを行わないと、建物の劣化が進み、最終的には大規模な修繕が必要になります。特に古い建物の場合、建物の状態が悪化すれば修繕費が膨らみ、数十万円から数百万円の出費がかかることもあります。

さらに、台風や地震などの自然災害が発生した場合、放置された空き家が損傷を受けるリスクもあります。損壊した建物は早急に修繕が必要で、その費用は所有者の負担となります。

1.3 解体費用

空き家をそのまま放置していると、老朽化が進み、最終的には解体が必要になることがあります。老朽化した空き家は倒壊の危険性が高まり、近隣住民や通行人に被害を与えるリスクもあるため、自治体から解体命令が出ることもあります。

解体には大きな費用がかかります。一般的な木造住宅の解体費用は、規模や地域によって異なりますが、30坪の住宅の場合で100万円から200万円程度が相場とされています。また、アスベストが使用されている古い住宅では、アスベスト除去費用が別途かかるため、解体費用がさらに増加する可能性があります。

1.4 保険料

空き家を維持するためには、火災保険や地震保険に加入しておくことが推奨されます。通常の住宅保険よりも保険料が高額になることが多く、特に無人の住宅はリスクが高いため、保険会社からの評価が低くなりがちです。その結果、保険料が高額になったり、特約をつけることでさらなる負担が発生することもあります。

1.5 庭や敷地の管理費

庭付きの空き家を所有している場合、敷地の管理も費用の一部になります。庭木の剪定や雑草の除去を怠ると、近隣に迷惑がかかるだけでなく、害虫や害獣の住処となり、衛生面でも問題が生じることがあります。庭の手入れを外部に委託する場合は、定期的な費用が発生します。

2. 空き家管理にかかる手間

費用だけでなく、空き家を所有することで様々な手間も発生します。以下に空き家管理にかかる代表的な手間を挙げます。

2.1 定期的な管理と点検

空き家でも、定期的に建物の状態を点検する必要があります。例えば、雨漏りやシロアリ被害がないか、外壁や屋根に損傷がないか、電気や水道などの設備が正常に動作しているかなど、定期的な点検が必要です。特に古い建物では、数カ月に一度のペースでチェックすることが推奨されます。

2.2 近隣住民とのトラブル回避

空き家を放置していると、近隣住民との間でトラブルが発生することがあります。庭木が越境している、雑草が繁茂して景観を損なっている、ゴミが溜まっているなど、適切な管理が行われていない空き家は近隣住民に迷惑をかけることが多いです。これらの問題に対処するために、定期的な庭の手入れや清掃が必要です。

2.3 トラブル対応

空き家が放置されていると、不法侵入や不法占拠といったトラブルが発生することもあります。無人の建物は犯罪の温床となるリスクが高いため、盗難や放火などが発生する危険性もあります。不法侵入者に対しては、警察への通報や防犯対策を講じる必要があり、トラブル対応には時間と手間がかかります。

3. 空き家を放置することのリスク

空き家を放置することには様々なリスクが伴います。費用や手間がかかるだけでなく、放置することでさらにリスクが高まり、最終的に大きな負担を抱えることになるかもしれません。

3.1 特定空き家に指定されるリスク

前述の通り、特定空き家に認定されると固定資産税の軽減措置が外れ、税負担が大幅に増加します。また、自治体からの勧告や命令に従わない場合、最終的には行政代執行が行われ、強制的に解体や修繕が行われ、その費用を請求されることもあります。

3.2 倒壊や災害リスク

老朽化した空き家は、倒壊の危険性が高まります。地震や台風などの災害が発生した際、空き家が倒壊して周囲に被害を及ぼす可能性があります。倒壊した場合の修繕や撤去費用は所有者に請求されるため、空き家を放置することは大きなリスクとなります。

3.3 不動産価値の低下

空き家を放置することで、その不動産価値がどんどん低下します。建物が劣化すると売却価格も下がり、最終的には売却が難しくなることもあります。さらに、地域全体の景観や不動産価値にも悪影響を及ぼすため、近隣住民にとってもマイナスです。

まとめ

空き家は住んでいない状態でも、固定資産税やメンテナンス費用、解体費用など、知らぬ間に様々なコストがかかります。また、適切な管理を行わないと、さらに大きな手間やリスクが発生し、最終的には財産的な損失に繋がる可能性もあります。空き家を所有している場合は、早めに対策を講じ、費用と手間を抑えることが重要です。売却や賃貸、リノベーションなどの活用方法を検討し、空き家を有効に活用しましょう。